ロエベ ファンデーション クラフト プライズ2020、ファイナリスト30名を発表。展覧会はパリの装飾芸術美術館で開催

ファッションブランド・ロエベによる私立文化財団「ロエベ ファンデーション」が2016年にスタートしたアワード「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ」。その4回目となる2020年度のファイナリストが発表された。

崎山隆之 聴涛:Listening to the Waves 2019

 ファッションブランドとして世界的に知られる「ロエベ」が1988年に創設した「ロエベ ファンデーション」。このファンデーションと、ロエベのクリエイティブ・ディレクターであるジョナサン・アンダーソンが2016年に立ち上げたのが「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ」だ。

 その4回目となる同プライズが、30人のファイナリストを発表した。各ファイナリストの作品は、2020年5月21日から7月12日まで、パリの装飾芸術美術館で展示される。

ダルシャナ・ラジャ Whole Hole 2019

 今回のファイナリストは、6大陸の18ヶ国を拠点にしている新進気鋭のアーティストから特定の分野を牽引しているベテランのアーティストまで、多岐にわたる構成となっている。その多くは、アップサイクルされた素材や本来は芸術作品を目的としていない素材を取り入れており、有機的形状を通じて自然界に関する懸念を表現している。

 今年は、同プライズの審査委員長アナツ・ザバルベアスコアをはじめとする10人の選考委員が、全世界107ヶ国の職人から応募された2920点の作品をマドリッドで2日間にわたって審査し、ファイナリストを選出。選考過程では、技術的成果やスキル、革新性および芸術観などを重視したという。

鵜飼康平 Fusion 19-07 2019

 ザバルベアスコアは、選考過程についてこうコメントしている。「今回はこれまででもっとも国際色豊かなものとなっています。ファイナリストは若手から有名どころまで、大陸や世代を超えた対話を生み出しておりそれぞれが卓越した技術を駆使し、驚きを与える技法を取り入れながら、伝統を大切にし、そこに新たな命を吹き込んでいます。世界の現状を反映したテーマにインスパイアされたこれらの作品からは、文化および美に対する最高レベルの意欲を感じることができます。同プライズの多様性と寛容性は、いまも、そしてこれからも様々な可能性を見いだしていくことでしょう」。

Kyeok Kim Second Surface 2019
Marc Ricourt Untitled 2019

 今回の大賞受賞者は、5月19日に装飾芸術美術館で開催される展覧会のオープニングで発表。5万ユーロ(約600万円)の賞金が授与される受賞者は、2019年の大賞受賞者である石塚源太や日本民藝館館長・深澤直人などデザイン界で活躍する12人の審査委員によって選出される。なお今回のファイナリストの一覧は次の通り。

 Afsaneh Modiramani、アンソニー・マーシュ、ボディル・マンツ、カーラ・ガルシア・ドゥラン、Darshana Raja、ダビッド・コルワラン、デスポ・ソフォークリオス、Edu Tarín、Fanglu Lin、キム・ヘジョン、ジャック・ドハーティ、ジェス・トルバート、ジェシカ・ローリン、ジヨン・リー、ジョエル・アンドリアノメアリソア、ケビン・グレイ、鵜飼康平、Kyeok Kim、Marc Ricourt、Naama Haneman、Peter Bauhuis、Sukkeun Kang、Seongyeol Park、Sungho Cho、崎山隆之、トビアス・モール、Veronika Beckh、ワカス・カーン、Xavier Toubes、Yang Gao

トビアス・モール Black Twill Collection 2019

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