ロエベと写真家デイヴィッド・ヴォイナロビッチがコラボレーション。エイズチャリティのアートTシャツを限定発売

ラグジュアリーブランド「ロエベ」がアメリカ人写真家デイヴィッド・ヴォイナロビッチの作品をプリントしたTシャツを、6月6日より限定で発売。本商品の収益は「ビジュアル・エイズ」に全額寄付される。

限定Tシャツのパッケージ

 1992年7月、エイズの合併症により37歳の若さでこの世を去ったアメリカの写真家、デイヴィッド・ヴォイナロビッチ。U2のアルバム『One』に使われた、断崖から転落する黒いバッファローの写真で広く知られるこのアーティストと、ジョナサン・アンダーソン率いるロエベがコラボレーションを果たす。

デイヴィッド・ヴォイナロビッチ 無題(転げ落ちるバッファロー) 1988-89  Courtesy Colección Marion Scemama © David Wojnarowicz estate

 幼い頃に両親の離婚や父親からの虐待などを経験し、一時は浮浪者になるなど壮絶な人生を送ったヴォイナロビッチ。その作品の多くには、同性愛者である作家自身の体験が取り入れられている。とくに1980年代後半にエイズと診断された後は、エイズ・アクティヴィストとしてセクシャリティや偏見について多くの作品を生み出した。

 ロエベのクリエイティブディレクターであるジョナサン・アンダーソンは、このヴォイナロビッチに対する世間の関心を集め、称えるため、今回のプロジェクトを構想。1982~90年の間に、ヴォイナロビッチが制作した4つの作品を、高級コットンのクルーネックTシャツにプリントとして施した。

Tシャツのパッケージ

 6月6日に発売されるこれらのTシャツは「ビジュアル・エイズ財団」(*)と、ヴォイナロビッチの遺産を管理するP.P.O.WGalleryのサポートによって実現。このプロジェクトの売上は、すべてビジュアル・エイズに寄付される。各デザイン400枚のみの生産となる今回の限定Tシャツは、日本ではロエベのカサ表参道店、銀座店、ドーバーストリートマーケット銀座店、LOEWE.COMで販売予定。

 なおこのTシャツプロジェクトとあわせて、ヴォイナロビッチとその師匠的存在であるピーター・ヒュージャーの展覧会が、国際写真祭「PHotoEspaña」(フォト・エスパーニャ)の一環として6月4日~8月26日、マドリードにあるロエベのグランビア店にて開催される。

ピーター・ヒュージャー タバコを吸うデイヴィッド・ヴォイナロビッチ 1981 / 2013 Courtesy Pace / MacGill gallery ©Peter Hujar Archive

脚注

*——HIV感染者であるアーティストの作品の保存とプロモーションを目的として1988年に設立され、エイズに対する認識の向上と、視覚芸術の展示や出版を通じた対話の機会の創出に取り組んでいる。

編集部

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