上野の旧博物館動物園駅が11月に一般公開。羊屋白玉演出の新作インスタレーションを展示へ

2004年に廃止され、今年「東京都選定歴史建造物」に選定された上野の旧博物館動物園駅が11月23日より一般公開されることが発表された。構内では、上野のリサーチをもとに演出家・羊屋白玉が書き下ろした物語を読み解きながら鑑賞するインスタレーション作品が展開される。

旧博物館動物園駅外観

 1933年に京成電鉄の駅として開業し、2004年に廃止された東京・上野の旧動物公園駅。ここが新たなアートスポットとなる。

 同駅は開業当時、駅舎の建設予定地が御料地であったため、御前会議での昭和天皇の勅裁を受けて建設されたもの。駅舎内外の意匠は西洋風の荘厳なつくりとなっており、開業以後、東京帝室博物館(現・東京国立博物館)や恩賜上野動物園の最寄り駅として利用されてきた。しかし利用者の減少により、1997年に営業休止、2004年に廃止。その後は 18年4月に鉄道施設として初めて、とくに景観上重要な歴史的価値をもつ建造物として「東京都選定歴史建造物」に選定された。

 その駅舎が改修を経て、11月23日に公開されるのに伴い、上野文化の杜新構想実行委員会とアーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)が社会包摂をテーマとしたプロジェクト「UENOYES(ウエノイエス)」との一環として、期間限定で新作インスタレーション作品《アナウサギを追いかけて》を公開する。

作品イメージ TOBIU CAMP 2018

 同作は、劇団「指輪ホテル」の芸術監督である羊屋白玉が演出を手がけるもの。羊屋が国立科学博物館と恩賜上野動物園、京成電鉄の人々の声を集めてオリジナルストーリーを書き下ろし、舞台美術を手がけるサカタアキコが空間を構成。来場者は物語を読み解きながら鑑賞するインスタレーションとなる。

 また、同作では国立科学博物館研究員・森健人が手がけた動物の骨格標本3Dプリントレプリカを展示。誰もが触れて体感でき、障害の有無に関わらず展示を楽しめる空間構成と演出を目指すという。

編集部

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