2018.10.11

建築家・後藤慶二の代表作「豊多摩刑務所」正門が取り壊しか。現在、中野区が意見を募集中

東京都中野区にある豊多摩刑務所正門。建築家・後藤慶二の代表作であり、大正期の日本のモダニズム建築を代表するこの建築のあり方について、中野区が意見を募集している。

豊多摩刑務所の正門 出典=ウィキメディア・コモンズ

 東京都中野区新井3丁目(旧・東京府豊多摩郡野方村)に1983年まで存在した「豊多摩刑務所」。豊多摩監獄や中野刑務所の名でも呼ばれた同所は、おもに治安維持法によって弾圧された大杉榮、小林多喜二、中野重治、三木清をはじめとする様々な文学者、評論家、学者らが収監された場所として知られる。

 また、構造と意匠の統一を目指す「真善美」を標榜した建築家、後藤慶二(1883〜1919)の設計による同建築は、大正期の日本のモダニズム建築を代表する作品としても名高い。

 現在はレンガ造りの正門1棟のみが残されているが、中野区によるとこの敷地は2019年度、平和の森小学校の移転用地としての取得を予定。区は、正門の今後のあり方について広く意見を聴取したうえで、方針を決定するという。

 中野区が想定する保存方法は、現時点で主として以下の5案。その中には「解体」の文字も見られる。

1:現地保存(内部見学も可能) 現地から動かすことなく、守衛室の1室に常設展示、もう1室をイベントに活用するなどして、内部への出入り可能な形で保存する。 2:現地保存(外部見学のみ可能) 現地から動かすことなく、外部からの見学に限定する形で保存する。 3:移築 基礎部分を地中から水平に切断し、建物そのものをリフトアップした後、レールに乗せて水平移動して、移転場所にて、移動によるダメージの修復を行う。 4:一部保存 解体し、正面一面のみをスライスし、別の建物の壁面に貼り付ける形で保存する。高さ8.7m、横幅13.5m、奥行2m程度を想定。 5:記録 解体し、記録映像、復原模型を作成し、公開できるようにする。

 意見はメール、ファックス、郵便などで10月26日まで受付。また本件に関して10月14日14時より意見交換会を予定しているという。