空間とのかかわりで魅せる
「超立体的絵画」。
ヘルベルト・ハマック展が
東京と名古屋で同時期に開催

色の塊をキャンバスに乗せた立体的な「絵画」を展開するヘルベルト・ハマックの個展がケンジタキギャラリー東京および名古屋で同時期に開催される。日本でのハマックの個展は、2010年以来約8年ぶり。会期は5月23日〜6月30日(東京)、5月26日〜6月30日(名古屋)。

ヘルベルト・ハマック At the End of the Rainbow 2017 Studio la Città temporary spaceでの展示風景(ミラノ)Photo by Michele Alberto Sereni © Herbert Hamak

 ヘルベルト・ハマックは1952年、ドイツのウンターフランケン生まれの画家。現在もドイツを拠点に制作を続けており、色の塊をキャンバスに乗せるなどといった立体的な「絵画」を展開している。

 樹脂や蝋、顔料を混合した非常に厚みのある色の塊は、周囲の空間や光の状況によって何通りもの表情を持ち、また、その色の塊が「キャンバス」と層になっていることによって、あくまでもそれが「絵画」であることを記号的に示唆する。独自の艶やかな色の塊にキャンバスの麻の素材感をさりげなく扱うことで、質のコントラストを垣間見せるハマックの作品群は、絵画でしばし用いられる遠近法などの空間性に対し、現実的な空間を与えている。

ヘルベルト・ハマック ケンジタキギャラリー/東京での展示風景(2005) © Herbert Hamak Courtesy of Kenji Taki Gallery

 日本でのハマックの個展は、今回が約8年ぶりの開催となる。東京では、多数の色の層を用いた「レインボー」シリーズの新作を中心に発表予定。名古屋では、正方形や長方形の直線がミニマルな様相を見せる旧作と、新作の楕円形の作品などが合わせて展示される。

 「壁画」の延長線上として、柱と色を組み合わせた作品を発表するなど、アイデアの拡張性に富んだ作品群は、見る者の感覚を固定化しない自由な世界へ解き放ち、「現在」の認識を問いかけるだろう。

ヘルベルト・ハマック Untitled 2002 Photo by Tetsuo Ito © Herbert Hamak

編集部

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