木村充伯は1983年静岡県生まれ。油絵具そのものを素材とした彫刻作品や、木の枝の先端に人や猫の顔を掘った作品、ティッシュペーパーを用いた版画作品など、様々な素材の持ち味を活かした作品を発表している。
2013年に韓国国立現代美術館が運営するアーティストレジデンス、チャンドン・アートスタジオに、15年には国際芸術センター青森のレジデンスに参加したほか、国内外の多数の展覧会に出展している。
近年は、「毛が生えるバネル」と作家自身が呼ぶ木製パネルによるシリーズを展開する。毛羽立ちやすいように意図的に設計されたパネルの表面をチェーンソーで削り、動物や人の毛を表現。生命の証ともいえる「毛が生える」状態を、素材そのものから引き出そうと試みる。
本展では、「毛が生えるパネル」シリーズ、および同様の手法を用いた立体「毛が生える彫刻」の新作を発表。霊長類に近いとされるヒヨケザルをモチーフとした作品などを展示する。