1946年に横須賀に生まれた原口典之は、70年に日本大学芸術学部美術学科を卒業。76年に「シドニービエンナーレ」に参加し、77年にドイツの「ドクメンタ6」で発表した、金属のプールを廃油で満たす《オイルプール》で国際的に鮮烈なデビュー。
工業製品に使用される鉄やポリウレタンなどを用いた作品や、軍用機の形態を原寸大で再現した立体を制作し、物体そのものの在り様を提示してきた原口。
近年では、2009年に横浜で、個展「原口典之展 社会と物質」(BankART Studio NYK)を開催し、12年にはニューヨークでの「TOKYO 1955-1970:新しい前衛」(ニューヨーク近代美術館)に参加するなど、国内外での活躍を見せている。
新作と近作を中心に展示する本展で、日本を牽引する作家の現在を知ることができるだろう。