貴重な初摺り作品も。
古き良き日本を見つめた版画家・
川瀬巴水の回顧展が開催

大正から昭和にかけて活躍した版画家・川瀬巴水の没後60年を記念した展覧会が玉川高島屋で開催される。会期は10月12日〜23日。

川瀬巴水 芝増上寺「東京二十景」 1925 木版

 1883年東京都生まれの川瀬巴水は、25歳で父親の家業を継いだものの画家への道を諦められず、岡田三郎助に師事し、その後鏑木清方に入門。1918年、同門の伊東深水の版画「近江八景」に影響を受け、版画家に転向した。

川瀬巴水 馬込の月「東京二十景」 1930 木版

 江戸の浮世絵の再興を目指す運動から生まれ、日本の風景を表すのに最適とされる「新版画」。巴水はその第一人者として活躍し、約40年にわたる画業のなかで、600点を超える作品を発表した。

川瀬巴水 西伊豆木負 1937 木版

 「巴水ブルー」と称される「青色」は巴水独特のもの。水や空気を表現したさまざまな「青色」は、日本人のみならず、スティーブ・ジョブズをはじめとした多くの外国人を魅了している。

川瀬巴水 矢口「東京二十景」 1928 木版

 本展では、無形文化財技術保存記録に認定された作品など、初摺りを含めた約150点を紹介。従来の高島屋での展示と約半数の作品を入れ替え、巴水の水彩画も14点追加展示する。さらに、会場となる玉川店の特別展示として、「玉川近辺の風景画特集」を企画。都内を題材にした作品の出品数は過去最大となる。

川瀬巴水 平泉金色堂(絶筆) 1957 木版

 また、巴水の初摺り作品を中心に、伊東深水による作品など150点以上が販売される。

編集部

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