幕末から明治にかけて活躍し、卓越した画力と奔放な表現でいまなお高い人気を誇る絵師・河鍋暁斎(1831〜89)。その暁斎が長く暮らした東京・湯島をテーマとする展覧会「暁斎が住まう湯島―描かれた神仏と寺社への思い―」が、湯島天満宮宝物殿で開催される。会期は9月19日〜12月13日。
暁斎は現在の茨城県古河市に生まれ、2歳のときに父の仕事に伴い江戸へ移住。その後、1857年に本郷大根畑(現在の湯島2丁目付近)に居を構え、1867年には現在の湯島1丁目付近へ移った。1887年に下谷金杉へ転居するまで、生涯59年のうち56年間を湯島周辺で過ごしたという。花鳥画から猫や鬼、蛙などを題材にした作品まで多彩な画業を展開したいっぽう、その作品には神仏への関心も色濃く表れている。
暁斎ゆかりの作品・資料を一挙公開
本展では、こうした暁斎と湯島、そして寺社との関係に着目。湯島天満宮が所蔵する《野見宿禰と當麻蹶速図》《入船図》のほか、暁斎が日々の修練として菅原道真を描いた《日課菅公図》などが展示される。また、神田神社や霊雲寺、麟祥院、文京ふるさと歴史館など、近隣および暁斎ゆかりの寺社・施設の協力による作品・資料も紹介される予定だ。
なかでも注目したいのが、湯島天満宮所蔵の《龍虎鷹山水図》。高さ145センチ、幅162センチの一対の衝立からなる紙本墨画で、表面の《龍図》《虎図》を暁斎が手がけ、その裏面には息子・河鍋暁雲による《鷹図》と、娘・河鍋暁翠による《山水図》が描かれている。暁斎と子供たちによる親子合作であり、文京区指定有形文化財となっている。
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