今週末に見たい展覧会ベスト27。「アンドリュー・ワイエス」展から「トニー・アウスラー」展まで【6/7ページ】

生誕130年 前田寛治 ポエジイとレアリスム(東京ステーションギャラリー

 東京ステーションギャラリーで、日本近代洋画を代表する画家・前田寛治(1896〜1930)の回顧展「生誕130年 前田寛治 ポエジイとレアリスム 一九三〇年協会設立100年」が開催される。会期は7月4日~8月30日。

前田寛治《少女と子供》(1927)鳥取県立美術館

 前田はフランス留学を通してキュビスムやセザンヌの理論を学びながら、写実と詩情を併せ持つ独自の画風を確立した。その絵画には、対象を冷静に見つめる理知と、静かな感情の余韻が同居している。

 生誕130年の節目にあたる本展は、前田の画業を総合的に見渡す機会となる。代表作を通じて、前田が追い求めた「ポエジイ」と「レアリスム」の関係に迫る。短い生涯ながら、日本洋画史に刻まれた前田の存在を再評価する展覧会だ。

 なお、会期中は一部作品の展示替えが行われる。

会期:2026年7月4日~8月30日
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
開館時間:10:00~18:00(金~20:00) ※入館は閉館30分前まで
休館日:月(7月20日・8月10日・8月24日は開館)、7月21日
観覧料:一般 1600円 / 高校・大学生 1100円 / 中学生以下 無料

ぬけみち展 かわす・つくる・ともにいる―生きるための回路(アーツ前橋

 アーツ前橋で「ぬけみち展 かわす・つくる・ともにいる―生きるための回路」が開催される。会期は7月4日〜8月30日。

dot architects + contact Gonzo「鉄道芸術祭 vol.10《GDP(Gonzo dot party)》」(2020)写真:吉見崚

 「未来は良くなる」と希望を見出すことが難しく感じるいま、日常には言葉にならない不安や閉塞感が静かに広がっている。そのような時代において、社会や都市、他者との関係に向き合い、現実をわずかにずらす試みを行う作家たちの実践を紹介する。

 本展のタイトルにある「ぬけみち」とは、現実からのたんなる逃避ではない。身の回りの環境を見つめ直したり、誰かと新しい関係を結んだりすることから生まれる、「この場所・この社会」をわずかにひらくための実践をインスピレーション源として提示する。

 今回の展示には、建築、ファッション、デザイン、演劇、ストリートカルチャー、現代美術といった多様な領域で活動する若手作家7組が参加。出展作家は、阿部航太、高野ユリカ、SIDE CORE、坂本舞ニルセン、鈴木哲生、ドットアーキテクツ、三野新&山本卓卓。

 効率や合理性が優先されがちな社会のなかで、身近な環境をいつもとは異なる視点で見つめ直すことや、普段の生活では生まれにくい関係性をひらく実践を行う本展。ジャンルを横断する作家たちのアプローチを通して、生活の中にある「ぬけみち」の可能性を感じられる機会となる。

会期:7月4日〜8月30日
会場:アーツ前橋
住所:群馬県前橋市千代田町5-1-16
電話番号:027-230-1144 
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで 
休館日:水 
料金:一般 800円 / 学生・65歳以上 600円 / 高校生以下 無料 ※7月20日、8月8日は無料

中西夏之 穏やかに見つめるためにいつまでも佇む、装置(山梨県立美術館

 山梨県立美術館で「中西夏之 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」が開催される。会期は7月4日~8月23日。

中西夏之《中央の速い白 XIII》(1990)千葉市美術館 ©NATSUYUKI NAKANISHI

 中西夏之(1935~2016)は東京都生まれ。戦後日本を代表する現代美術家。高松次郎および赤瀬川原平とともに前衛美術家集団「ハイレッド・センター」で活動し、土方巽らとの舞踏での協働を経て、1960年代後半からは独自の思考にもとづいた数々の絵画連作を制作。90年から2007年まで山梨県大月市にアトリエを構えた。

 本展は、中西の没後初となる大規模な個展だ。中西が絵画の在りようについて残した言葉「緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」を道しるべに作品を紹介。また、山梨とゆかりのある中西を、山梨県立美術館で初めて大きく取り上げる機会となる。

会期:2026年7月4日~8月23日
会場:山梨県立美術館
住所:山梨県甲府市貢川1-4-27
開館時間:09:00~17:00 ※入場は閉館30分前まで
休館日:月(7月20日・8月10日は開館)、7月21日
観覧料:一般 1000円 / 大学生 500円 / 高校生以下、障害者手帳をご提示の方とその介護者 無料

マリメッコ展 模様のちから(京都文化博物館

 京都・三条高倉の京都文化博物館で「マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Printmaking -Beauty, Dream, Love」が開催される。会期は7月4日~9月6日。

展覧会キービジュアル 右上:Klaava, Annika Rimala,1967/下:Viidakko, Pentti Rinta,1981/左上:Seppel, Antti Kekki,2022

 マリメッコはフィンランドのデザインハウスであり、世界に先駆けて誕生したライフスタイルブランドのひとつとして知られる。「喜びにあふれた人生」と「より良く生きるための哲学」を体現することをモットーに、1951年にアルミとヴィリヨ・ラティア夫妻によって設立された。鮮やかな色彩と大胆な模様が特徴のプリント・デザインは、世代や国境を超えて愛され、創業以来そのデザインは3500種類以上にのぼる。

 本展は、様々な年代の貴重なドレスやファブリック、制作過程のイメージなど、多彩な資料を通してマリメッコの創造の美学を紐解くものとなる。1960年代から近年のコレクションまで、厳選された約70点のドレスを一堂に展示。自然の風景から描かれたスケッチや切り絵、キービジュアルを飾った模様の原図の一部などといった貴重な資料を通じて、1枚の紙に描かれたドローイングがファブリックへと形を変えていく創作の舞台裏を公開する。

 また、本展にあわせて会場内にはアートユニット・plaplaxによるインスタレーションも展開される。ヘルシンキにある自社の「プリント・ファクトリー」をテーマに、映像とプロジェクションを用いて、ひとつの模様がプリントとして生まれるプロセスを表現するという。さらに、ミナ ペルホネンのデザイナー・皆川明も参加。皆川がデザインし、マリメッコのファクトリーで制作されたファブリックを用いた新作インスタレーションも展示される予定だ。

会期:2026年7月4日~9月6日
会場:京都文化博物館 4・3階展示室
住所:京都府京都市中京区三条高倉
休館日:月(ただし、7月20日は開館)、7月21日