EXHIBITIONS

企画展

山室眞二の薯版画〈かまくら博物誌〉

併陳 コレクション 暮らしの中で

山室眞二《ツバメ》(2025)薯版、紙 作家蔵 撮影:鈴木静華

 神奈川県立近代美術館 鎌倉別館で、企画展「山室眞二の薯版画〈かまくら博物誌〉/ 併陳 コレクション 暮らしの中で」が開催されている。会期は9月27日まで。

 山室眞二は1939年神奈川県横浜市生まれ。鎌倉市在住。横浜市立大学卒業後、建設省(現国土交通省)などに勤務。学生時代に木版画を始め、70年代にジャガイモを版とする薯(いも)版画に出合い、以降独学で制作を続ける。84年に藤沢市の画廊たくらで薯版画による初個展を開催。画文集『薯版deルナールとあそぶ』(2024)の出版や、山室自身が主宰する「シンジュサン工房」名義での造本、装幀・挿画など幅広い活動に取り組んでいる。

 50年以上にわたり薯版画を独学で創作し、その表現を深めてきた山室。本展では、ジュール・ルナール『博物誌』に倣い、「かまくら博物誌」をテーマに植物や小さな生物たちを取り上げた作品群を展示している。

 また、切手を模した作品や自筆の画文集、挿絵や装幀を含む造本類など、50年以上にわたる山室の仕事を多角的に紹介。加えて、親交のある志村ふくみの100歳を記念した新作《志村ふくみの言葉 百葉筥》を公開。本作品は、志村の言葉とそこから着想されたイメージを10センチ四方の紙に薯版で刷った100枚組の作品で、志村による糸や裂の小片も用いられている。

 あわせて「併陳 コレクション 暮らしの中で」では、同館コレクションから鳥海青児や麻生三郎らを取り上げ、家族や花など日常の物事を題材としたスケッチや素描を紹介する。