スタジオジブリが「禅」の展覧会を企画制作。「禅とジブリ」と「白隠さんの禅」が京都市京セラ美術館で開催へ

京都市の京都市京セラ美術館で、スタジオジブリが企画制作する展覧会「禅とジブリ」(10月3日〜12月6日)、「白隠さんの禅」(12月17日〜2027年1月11日)が開催される。

© 2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

 京都市の京都市京セラ美術館で、スタジオジブリが企画制作する「禅」の展覧会「禅とジブリ」(10月3日〜12月6日)、「白隠さんの禅」(12月17日〜2027年1月11日)が開催される。

なぜ、ジブリが禅なのか

 「禅とジブリ」展は、スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫と禅僧による対談をまとめた書籍『禅とジブリ』(淡交社、2018)を原点とし、ジブリ作品を通して、「禅的なまなざし」に触れることを目的とした体感型の展覧会だ。スタジオジブリの作品の特徴でもある、「善悪を二分しない多義性」「答えを急がない余白」「分からないままに受け取る」姿勢が、禅の「分けない」「決めつけない」「ありのまま観る」という思想と響き合うことから企画された。

 本展は、あえて明確な答えを示さない世界観を描いた宮﨑駿監督の映画『君たちはどう生きるか』(2023)を中心に据え、空間を構成。劇中のセリフやカット、鈴木の書などを通じて、ジブリ作品全体に通底する禅的な「ものの見方」を立体的に浮かび上がらせる。

左から宮崎駿、鈴木敏夫
©Hayao Miyazaki/Toshio Suzuki

禅僧・白隠慧鶴のメッセージを映像で伝える

 また、後期展示として開催される「白隠さんの禅」では、臨済禅中興の祖として知られる江戸時代の禅僧・白隠慧鶴(はくいんえかく、1685〜1768)を取り上げる。

白隠慧鶴《蓮池観音》江戸時代(18世紀) 清宗記念館所蔵

 白隠は現在の臨済禅(白隠禅)の流れに大きな影響を与えた人物であり、厳格な修行の体系を立て直すとともに、書画を通して禅の教えを広く人々に伝えた。大胆でユーモラス、時に風刺的な表現は、宗教の枠を超えて人々の感覚に直接訴えかけ、その業績は現代に至るまで脈々と受け継がれている。

 「もし白隠が現代に生きていたら、書画にとどまらずアニメを制作して禅の教えを伝えていたのではないか」という発想からスタートした本企画では、白隠の優品を展示するとともに、作品に込められた壮大で深遠なメッセージを映像で表現。両展ともに、スタジオジブリの新たな表現を提示する場となりそうだ。

編集部

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