3月16日、愛知・長久手の愛・地球博記念公園内にあるジブリパークに、新エリア「魔女の谷」がオープン。オープンに先がけて内部の様子を、昨年11月に開園した「もののけの里」とともにレポートする。
なお、先行オープンしていた「ジブリの大倉庫」「どんどこ森」「青春の丘」などのレポートはこちらをご覧いただきたい。
魔女の谷
魔女の谷は、『魔女の宅急便』(1989)や『ハウルの動く城』(2004)『アーヤと魔女』(2020)といった、スタジオジブリ作品のなかでも魔法が出てくる作品の世界をモチーフとしたエリアだ。
ハウルの城
エリア内には異国情緒あふれる建物が並び、小さな町を形成している。このエリアの一番奥で存在感を放つのが『ハウルの動く城』に出てくる、高さ20メートルの「ハウルの城」だ。
玄関から内部に入ると、薄暗い居間にカルシファーの炉や流し台、テーブル、ソフィーの寝室などがあり、劇中の登場人物たちの生活空間に入り込んだような体験ができる。さらに2階にはハウルの寝室や衣裳部屋、アトリエ、浴室などもあり、各場面を想起することができるはずだ。なお「ハウルの城」は時たま煙を吐き出しながら稼働する。稼働時間は明かされていないが、巨大な城が突如として動き出す驚きを楽しんでもらいたい。
ハッター帽子店
『ハウルの動く城』の主人公・ソフィーが切り盛りする「ハッター帽子店」は、1階がオリジナルキャンディー缶や帽子を販売するショップ、2階が魔女や魔法にまつわる書籍がそろう「魔女の本棚」となっている。
オキノ邸
『魔女の宅急便』の冒頭、主人公・キキが魔女の修行に旅立つ前に両親と住んでいた2階建ての家。邸宅の前の庭園には作中で描かれていたように、四季にちなんだ草花が植えられている。
キキの母が薬をつくる部屋はたくさんの薬草であふれており、ほかにも客間や居間、台所などの様子からは物語のなかの生活が垣間見える。2階に上がればキキの部屋や父の書斎があり、各キャラクターの性格や趣向をうかがうことができる品々を見られる。
グーチョキパン屋
『魔女の宅急便』でキキと黒猫のジジがたどり着き、屋根裏で暮らすことになったグーチョキパン屋。ヨーロッパの伝統的な木造建築技法、ハーフティンバー様式でつくられた2階建ての建物だ。
パン屋では実際にバケットやブールといったパンを販売。ナポリタン入りのパンやういろうカヌレといった独創的なオリジナルメニューも用意されている。
魔女の家
『アーヤと魔女』の主人公・アーヤが引き取られた家を再現した「魔女の家」。魔女、ベラ・ヤーガのあやしげな作業部屋には、魔法の材料がところ狭しと並んでいる。
メリーゴーランド/フライングマシン
「年に一度、村にやってくる移動遊園地」をイメージしたメリーゴーランド。乗り物はどれも『魔女の宅急便』「ハウルの動く城」『もののけ姫』(1997)といった作品に登場するキャラクターや動物をモチーフとしたもので、見ているだけで楽しくなる。
フライングマシンは『天空の城ラピュタ』(1986)の世界をモチーフにした子供向けの回転式遊具だ。中央にはラピュタや飛行船「タイガーモス号」もあしらわれている。
もののけの里
『もののけ姫』をイメージした「もののけの里」は、広々とした里山風景が広がるエリアだ。このエリアのメインとなっているのは、作中に出てくる製鉄所「タタラ場」。内部は体験学習施設となっており、ここでは中部地方で広く食べられてきた五平餅の炭火焼体験をすることが可能だ。
ほかにもエリア内には『もののけ姫』に登場する「乙事主」のすべり台や「タタリ神」のオブジェがあり、子供たちが走り回って遊ぶことができるエリアとなっている。
2021年の開園後、新エリアの拡張を続けてきたジブリパークだが、今回の「魔女の谷」のオープンで当初発表されていた全エリアの整備が完了したかたちになる。国内外で高い人気を誇るスタジオジブリ作品だが、本テーマパークでは今後どのような企画や展開があるのか、引き続き注目していきたい。