LVMH メティエ ダールがパリで特別展を開催。日本の伝統素材「和紙」の新たな可能性を提示

フランス・パリで、LVMHの工芸部門である「LVMH Métiers d'Art」が、日本の優れたクラフツマンシップに光を当てる特別展の第2章として、「WASHI ~ the art of crafting paper, where tradition unlocks innovation」を開催する。会期は2026年5月28日〜6月3日(一般公開は5月30日のみ)。

 ラグジュアリーブランドを多数傘下に収めるフランスのLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)。同社の工芸部門であり、世界中の卓越した職人技と先進的なマニュファクチャーのネットワークを形成する「LVMH Métiers d'Art(LVMHメティエ ダール)」が、日本の伝統素材である「和紙」にフォーカスした特別展をパリのショールーム「La Main(The Hand)」で開催する。会期は2026年5月28日〜6月3日(一般公開は5月30日のみ)。

日本の伝統素材「和紙」にフォーカス

 本展は、日本の芸術的な職人技を紹介するプロジェクト「Métiers d'Art du Japon~ 日本の芸術的な職人技」の第2章として位置づけられている。千年以上にわたり日本文化を支えてきた和紙は、近年、和紙糸や異素材との複合、デジタル技術との融合などによって革新が進み、ファッション、インテリア、建築など多様な分野で次世代素材として国内外から高い注目を集めている。

民谷螺鈿
クスカファブリック

現代の感性が響き合うアートワークと若き才能

 会場では、国内外のアーティストやアトリエ、ブランドとの協働により、伝統的な手漉きの技と現代の感性が響き合う作品を多数展開する。和紙表現を牽引するアーティスト・堀木エリ子によるアートワークのほか、次世代の若き作り手を支援する「KOGEI ARTISTS LEAGUE」(三菱UFJフィナンシャル・グループ主催)のファイナリストから選出された3名による新作も展示。さらに京都府の後援のもと、丹後地域をはじめとする京都ゆかりの職人も多数参加し、新たな和紙表現に挑む。

©堀木エリ子アンドアソシエイツ

「素材」から「概念」へ。ラグジュアリー市場における拡張

 また、アートにとどまらない、プロダクトや革新的な素材開発へのアプローチも見どころだ。シルク和紙やヘンプ和紙といった異素材とのクロスクラフトによる素材開発の取り組みのほか、「第12回LVMH プライズ 2025」を受賞した大月壮士が手がけるブランド「SOSHIOTSUKI」による新素材を用いたデザインや、パートナー企業の革なめし技術によって和紙のテクスチャーを表現したレザーなども紹介。和紙をたんなる「素材」から「概念」へと拡張することを試みる。

 展示は原則としてアポイントメント制となるが、5月30日のみ一般公開が行われる。伝統と革新が交差する和紙の多彩な表現と、日本のクラフツマンシップが持つポテンシャルをパリで目撃できる貴重な機会となりそうだ。

編集部