山梨県北杜市の中村キース・ヘリング美術館で、1980年代のニューヨークのアートシーンを牽引したケニー・シャーフとキース・ヘリングに焦点を当てた展覧会「ケニー・シャーフ&キース・ヘリング:K!K!」が開催される。会期は6月6日〜2027年5月16日。
本店は1978年に出会い、公私ともに交流を深めたシャーフとヘリングの二人展。ヘリングの没後、世界初の試みとなる。シャーフ自らが展示構成に携わる本展では、同館のコレクションを基盤に、これまで十分に紹介されてこなかった共同プロジェクトや相互の影響関係に光を当て、新たなヘリング像を提示する。
会場では最新作を含む絵画や彫刻のほか、アーカイブ資料、没入型のインスタレーション、さらには本邦初公開となるドキュメンタリー映画の上映など、多角的な構成によってふたりが切り拓いた表現の可能性を現在の視点から探る。
80年代ニューヨークの熱狂と二人の盟友関係を紐解く
1970年代末から80年代のニューヨーク・ダウンタウンは、アートが美術館の枠を超えて街や人と結びつき、地下鉄やストリートがアーティストたちの実験場となっていた時代だった。ともに1958年に生まれたシャーフとヘリングは、1978年にニューヨークへ移住し、美術学校「スクール・オブ・ビジュアル・アーツ(SVA)」で出会って以降、親密な交流を深めていった。
本展ではふたりの関係性を軸に、シャーフ自身の記憶や所蔵資料を紐解きながら、共同プロジェクトや交友関係に改めて注目。世界で唯一のヘリング専門美術館である同館のコレクションに加え、写真やオリジナルグッズなどのアーカイブ資料を併せて展示することで、公的な美術史の側面だけでは語りきれない、ヘリングの思想や表現の背景にあるパーソナルな側面に迫る。


3つのセクションで辿る、共鳴と個性の展開
展示は「キース・ヘリング」「ケニー・シャーフとキース・ヘリング」「ケニー・シャーフ」の3つのセクションで構成される。中心となる第2セクションでは、ふたりの絵画や彫刻が一堂に会し、造形や色彩における同時代性を検証できる。シャーフのポップで宇宙的なイメージと、ヘリングの明快なラインによる象徴性という、対照的な個性がどのように共鳴し、あるいは異なる方向へと展開していったのかを作品を通して提示する。
また、シャーフの活動を体系的に紹介するセクションでは、80年代の代表作だけでなく、同館のために制作される最新のペインティングや彫刻も公開される。ニューヨークからマイアミ、ロサンゼルスと拠点を移しながら国際的な地位を確立してきたシャーフだが、その50年にわたる画業が日本で網羅的に紹介される機会は稀だった。アメリカ現代美術におけるシャーフの地位を再考するとともに、生命力に満ちたモチーフが混迷する現代社会に投げかけるものについても再提示がなされる予定だ。




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