東京湾岸で開催の国際美術展「TOKYO ATLAS」、草間彌生の日本初公開作品も【2/2ページ】

 青海エリアのテレコムセンタービルでは、草間彌生によるバルーン作品《ヤヨイちゃん》(2012)と、《宇宙へ行って見た愛の花束》(2021)を同一空間に展示する。後者は日本初公開であり、この2作品を並置する試みは世界初となる。37メートルの吹き抜けアトリウムに展開される巨大作品群は、内なる宇宙と外なる宇宙の対話を体現する場となる。

草間彌⽣ 宇宙へ⾏って⾒た愛の花束 2021 「Yayoi Kusama: A Retrospective」(グロピウス・バウ、ベルリン、ドイツ、2021)での展⽰⾵景
テレコムセンタービル

 天王洲エリアのアイルしながわでは、笹岡由梨子の映像インスタレーションが予定されるほか、WHAT MUSEUMでは若手特別展示も実施。トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)のネットワークや人材育成の蓄積を活かし、新たな才能の発掘と発信を図る。

 本展は、単一の建築に作品を収める形式ではなく、都市の中へアートを挿入することで風景そのものを再編する構造を持つ。歴史的史跡、港湾インフラ、再開発地区、地下空間といった異なるレイヤーを横断しながら、来場者は身体を移動させつつ作品と遭遇する。

 東京湾岸は、近代日本の開国、戦後の再開発、そして現在の国際都市化という複数の時間軸が交錯する場所である。その地勢を「ATLAS」として読み替える本展は、東京という都市の潜在的なダイナミズムを可視化する試みと言えるだろう。なお、会場は一部を除き無料となる予定だ。