本展は全5章で構成される。第1章は「オブジェ―『客観』と『超現実』の関係」。シュルレアリスムとは、私たちが疑うことなく現実だと認識しているもののなかから、より上位の現実である「超現実」を露呈させること。あらゆる事象を、客体(=オブジェ)として見つめることで「超現実」と向き合ったシュルレアリストたちのオブジェが紹介される。


第2章「絵画―視覚芸術の新たな扉」では、文学的な実験に由来するシュルレアリスムの技法「自動筆記」(オートマティスム)による絵画作品に焦点が当てられる。エルンスト、マグリット、デルヴォー、ダリなどの作家による、人の深層心理や夢想を反映した不可思議な光景や人物像が描かれた作品が展覧される。


第3章「写真―変容するイメージ」では、写真表現によってシュルレアリスムに向き合った作家の作品に迫る。19世紀前半に誕生した写真術は、被写体をそのまま写すという本来の役割を超えて、20世紀美術を彩る主要な表現のひとつとなった。マン・レイを筆頭に、各国の芸術家が挑戦した多彩な写真表現が紹介される。




















