ダリの奇想天外な人生を描く。映画『ウェルカム トゥ ダリ』が9月に全国公開

20世紀を代表する画家のひとり、サルバドール・ダリの人生を描く映画『ウェルカム トゥ ダリ』が9月に全国公開される。

『ウェルカム トゥ ダリ』ポスタービジュアル

 サルバドール・ダリ(1904〜1989)の人生を描いた映画『ウェルカム トゥ ダリ(原題:Daliland)』が9月1日より全国公開される。

 ダリは1904年スペイン・フィゲラス生まれ。14歳でフィゲラス市立劇場(現・ダリ劇場美術館)の展覧会に作品が展示されるなど、早くから絵の才能を認められる。29年にパリで、ルイス・ブニュエルと共同制作した映画『アンダルシアの犬』を公開。女性の眼球を切断するシーンから始まるという衝撃作はシュルレアリストたちに高く評価された。

 30年に「偏執狂的・批判的方法(ブルトンによる命名)」を提唱。夢や妄想などの錯乱状態で連想されたイメージを客観視し、認識可能な状態にする方法としてダブル・イメージを多用した。初期の代表作のひとつ《記憶の固執》(1931)では、時間の消滅や死を、カマンベールチーズを着想源とした溶けた時計やダリの強迫観念であるアリの群体などで象徴している。

 40年にニューヨークに移住し、第二次世界大戦終結後の48年にスペインに帰国。古典様式に回帰し、聖母子像や磔刑図などルネサンス期を思わせる宗教画に着手する。51年には『神秘主義宣言』を発表し、科学の理論に基づいて宗教の世界を表現することを試みる。

 映画は、数々の尊大な名言で人々の注目を集めていたダリが、ポップカルチャー全盛期を迎えた70年代のニューヨークで、ファッション、音楽、アートといった文化を牽引する姿を描く。

 監督は『アメリカンサイコ』(2000)や『チャーリー・セズ/マンソンの女たち』(2018)で知られるメアリー・ハロン。ダリを演じるのはアカデミー賞に4度ノミネートされ、『ガンジー』でオスカーを手にしたベン・キングズレー、その妻・ガラはカンヌ国際映画祭女優賞の受賞歴もあるドイツを代表する女優、バルバラ・スコヴァが務める。

 9月1日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほかで全国公開される。ダリの奇想天外な生涯をドラマチックに描く映画となりそうだ。

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