「幕末土佐の天才絵師 絵金」(サントリー美術館)

東京・六本木のサントリー美術館で、幕末から明治初期にかけて数多くの芝居絵屏風を残した絵金(1812〜76)の作品を取り上げる展覧会「幕末土佐の天才絵師 絵金」が9月10日から開催されている。
土佐の絵師・金蔵(通称:絵金)は高知城下・新市町(現・はりまや町)の髪結いの子として生まれた。幼少時より画才のあった金蔵は、同じ町内の南画家や土佐藩御用絵師に絵を学び、18歳のとき、土佐藩主の息女・徳姫の駕籠かきの名目で江戸にのぼる。駿河台狩野派の土佐藩御用絵師・前村洞和(まえむらとうわ)の下で3年間修業し、帰郷後は土佐藩家老の御用絵師となるも、その後、理由は定かでないが城下を追放され、中年以降いつどこで制作していたのか不明となっている。しかし、墓碑銘によると、金蔵から絵の手ほどきを受けた者は数百人にものぼるようだ。明治9年(1876)に亡くなった後も、歌舞伎や浄瑠璃のストーリーを極彩色で絵画化した「芝居絵屏風」や「絵馬提灯」は数多く現存しており、現在でも地元の高知では「絵金さん」の愛称で長年親しまれているのだという。
1966年に雑誌『太陽』で特集されたことを契機に、小説・舞台・映画の題材として取り上げられたものの、普段はその多くが神社や自治会などに分蔵されている。本展は、絵金による作品をまとめて鑑賞できる貴重な機会となっている。
会期:2025年9月10日〜11月3日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
電話番号:03-3479-8600
開館時間:10:00〜18:00(金および11月1日、2日は〜20:00、9月26日、27日は六本木アートナイトのため〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:火(ただし、9月23日、10月28日は開館)
料金:一般1800円 / 大学生1200円 / 高校生1000円 / 中学生以下無料
「Detour Tokyo」(21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3)

21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3で、モレスキン財団(Moleskine Foundation)主催による展覧会「Detour Tokyo」が始まった。
「Detour」は、同財団が所蔵する1600冊を超えるノートブックアートのなかから、その土地の文脈にあわせて厳選された作品を展示する巡回展。 展示されるノートブックは、世界的に著名なアーティスト、建築家、映画監督、デザイナー、ミュージシャン、作家に加え、世界各地の学生や文化団体、若手クリエイターから寄贈されたものであり、多様な視点と表現がひとつの空間に集結している。
これまでにロンドン、上海、パリ、ニューヨーク、ミラノを巡り、今回は2025大阪・関西万博と21_21 DESIGN SIGHTに上陸。キュレーターに長谷川祐子とSKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)を迎え、ジャンルを超えた多数の日本人アーティストが参加するものとなる。
会期:2025年9月10日〜23日
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
電話番号:03-3475-2121
開館時間:10:00〜19:00
休館日:火
料金:無料



















