第1章は「ウィーンに生まれて」。1902年に生まれたルーシーは、ウィーン工芸美術学校に入学し、ミヒャエル・ポヴォルニーに陶芸を学ぶ。彼女が制作を始めた20世紀初頭のウィーンでは、日用品を通して高い美意識を表現したウィーン工房のアーティストたちが活躍していた。本章では、ウィーン工房の創設者のひとりであるヨーゼフ・ホフマンをはじめ、同時代に活躍した作家の作品や、ルーシーの初期作品が紹介される。

第2章「ロンドンでの出会い」では、1938年にルーシーがナチス迫害から逃げるために渡ったロンドンで制作された作品が展覧される。ルーシーはそこで、イギリス陶芸界の中心的役割を担っていたバーナード・リーチ、ボタン制作のため工房に参加した彫刻家志望の青年ハンス・コパーらに出会う。ルーシーのロンドン時代の作品は、彼らからの影響が多く見受けられるものとなっている。




















