「走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代」展(京都国立近代美術館/7月19日〜9月24日)
陶芸に限らず、日本の近代美術に関心のある人ならその名を知らぬ者はいないカリスマ・八木一夫を中心とした走泥社同人の仕事を再考するという展覧会。前衛と言われた走泥社の活動について数十年にわたり喧伝されてきたのは、「土の生理に従う」ことや「土の造形のプロセス」といった点が中心であった。しかし本展において、いずれの時代でも新しいことに挑戦してきたことが彼らの特筆すべき点なのだと明確に示された。前衛芸術とは、名声を得たのちもその場に留まるのではなく新たな表現を切り拓いていくものだと改めて認識させられた。