国立ハンセン病資料館で「桜を植えた人びと -多磨全生園70年の桜並木-」が開催。入所者が桜に込めた思いを伝える

東京・東村山の国立ハンセン病資料館で「桜」をテーマとしたギャラリー展「桜を植えた人びと -多磨全生園70年の桜並木-」が開催される。会期は3月20日~4月13日。

多磨全生園の桜並木 1986

 東京・東村山の国立ハンセン病資料館で「桜」をテーマとしたギャラリー展「桜を植えた人びと -多磨全生園70年の桜並木-」が開催される。会期は3月20日~4月13日。

桜の下の園児たち 2024

 同館に隣接した国立療養所多磨全生園は、近代以降の誤った国の隔離政策によって整備され、ハンセン病の患者と回復者およびその家族は人権を侵害され、偏見差別にさらされた。現在も約90名の回復者が暮らしているこの施設は、桜の名所としても知られている。

桜に集う入所者 1976

 これらの桜は70年前に入所者がその手で植え、今日まで大切に守り育ててきたものだ。この桜並木には、かつて柊の垣根で閉ざされていたこの地に多くの人が訪れ、桜とともに自分たちの歴史を受け継いでほしいという入所者の想いが込められている。

道をつくる入所者 1955
新たな道に植えられた桜 1955

 「桜を植えた人びと -多磨全生園70年の桜並木-」では70年目の春に合わせ、桜並木の歴史を伝える写真や、入所者の桜への想いが込められた芸術作品約25点を紹介。

地域との交流の場へ 1975

 加えて、多磨全生園に隣接した同館の2階の展望窓からは、桜並木を一望できる。花を愛でながら、 その桜を植えた人びとに想いをめぐらせられる展覧会となりそうだ。

2階展示室展望窓からの桜並木

編集部

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