東京・東村山市の国立ハンセン病資料館で「絵ごころでつながる-多磨全生園絵画の100年」が開催される。会期は3月2日〜9月1日。
およそ100年前となる1923年10月31日、ハンセン病患者の療養施設、第一区府県立全生病院(現・多磨全生園)の礼拝堂で、入所者が描いた絵画を初めて展示した「第壱回絵画会」が開幕した。本展は、この絵画会を起点とする多磨全生園の絵画活動100年の歩みを一望し、初公開のものを含む多くの絵画作品を関連資料とともに紹介するものだ。
本展では全国の療養所のなかで、もっとも早い戦時中の結成となった絵画サークル「絵の会」を紹介。さらに戦後に東京都美術館で開催された美術団体展に入選した描き手の作品を当館として初公開する
さらに、多磨全生園内に設置されたおもに児童のための全生学園・全生分教室で美術(図画)教師を担った描き手たちの活動を紹介。さらに1960年に園内の礼拝堂で開催された「国立近代美術館所蔵の名作絵画展」や、また、主に1970年代に全国のデパートなどで開催された「貞明皇后のお徳をしのぶ療養作品展示会」など、これまで言及されてこなかった催しをも紹介される。
加えて、多磨全生園ではほぼ唯一の女性の描き手である鈴村洋子の作品を一同に集め、その全貌に迫る。
なお、会期中の5月5日には、アーティスト・青柳菜摘による朗読会が開催。また、6月1日には静岡県立美術館館長の木下直之を、7月13日にはカンザス大学美術史学部准教授の金子牧を招いた講演会を開催する。