柳幸典、ミラノでヨーロッパ初の大回顧展「ICARUS」を開催。新作とともに壮大なインスタレーションが登場【2/3ページ】

 本展のタイトル「ICARUS」は、ギリシャ神話に登場するイカロスが太陽に近づきすぎて焼け落ちる運命をタファーとする柳の「Icarus」シリーズから着想を得ている。柳はこれまでにも「Icarus」シリーズを通じて、失敗や危機、そして人間の限界について深いメッセージを込めてきた。2008年竣工した犬島精錬所美術館の銅の精錬所遺構と一体化した恒久作品《Icarus Cell》をはじめとする既存の作品を再構築して展開される予定だ。

柳幸典 Icarus Cell 2008 犬島精錬所美術館‬ 撮影=泉山朗土‬
© YANAGI STUDIO, Courtesy of the artist and Fukutake Foundation,‬ Naoshima‬

 この「ICARUS」を軸に、展覧会は《Project God-zilla 2025 - The Revenant from “El Mare Pacificum(‭太‬‭平‬‭洋‬‭の‭亡‭霊‭)”》(2025)から始まる。同作は、核エネルギーによって力を得たゴジラの巨大な目が、廃材や瓦礫のなかに投影されるもので、核兵器の使用が環境に与える影響を描き、ポストアポカリプス的なシナリオを描写している。この作品と対話するかたちで展示される《Article 9》(1994)は、展示空間に点在する複数のネオン構造物で構成‬される作品で、点灯・消灯が断続的に繰り返される。

柳幸典 Project God-zilla Onomichi U3 2017 県営上屋3号倉庫(尾道)
© YANAGI STUDIO, Courtesy of the artist‬
柳幸典 Article 9 1994 釜山ビエンナーレ2016‬ 撮影=泉山朗土
© YANAGI STUDIO, Courtesy of the artist‬

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