9つの展覧会をひとつの会場で。「メディウムとディメンション:Maze」展がGASBON METABOLISMで開催中

山梨・北杜の多目的施設「GASBON METABOLISM(ガスボン メタボリズム)」で、展覧会「メディウムとディメンション:Maze」が9月2日まで開催中。美術評論家・中尾拓哉がキュレーションした本展では、「Maze=迷路」をテーマに9つの異なる展覧会をひとつの会場で同時に楽しめる。

玉山拓郎「Dirty Palace」(CALM & PUNK GALLERY、2018)の展示風景より Photo by Nii Takamitsu

 山梨・北杜の多目的施設「GASBON METABOLISM(ガスボン メタボリズム)」で、美術評論家・中尾拓哉のキュレーションによる展覧会「メディウムとディメンション:Maze」が開催されている。会期は9月2日まで。

 本展は、「Maze=迷路」をテーマにした9つの展覧会をひとつの会場で行う試み。各展覧会はそれぞれ特異性を持ちつつ、それ以外の8つの展覧会と時間と空間を共有し、重なり合う形式で展開されている。

久保田荻須智広「eat ro ekyu」(EUKARYOTE、2022)の展示風景より

 通常、展覧会はほかの空間と区別されているが、本展ではその見えない壁(パーティション)を越え、複数の回廊(ギャラリー)を入り組ませることで、複数の作品の内外の時間と空間が重層する「Maze=迷宮」としてのひとつの展覧会へと変貌する。それによって、アートにおける時間と空間、その認識の境界について再考し、現代表現に潜む複雑性の意義を問い直そうとしている。

 参加アーティストとしては、久保田荻須智広、うしお、玉山拓郎鹿野震一郎豊嶋康子長田奈緒、磯谷博史、高田安規子・政子が名を連ねており、それぞれの作品がどのように「Maze」のなかで共鳴し合うのかを見ることができる。

豊嶋康子「豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表」(東京都現代美術館、2023-24)の展示風景より Photo by Morita Kenji
磯谷博史「マツモト建築芸術祭」(池上邸 土蔵、2022)の展示風景より

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