三菱一号館美術館が来年11月に再開館。再オープンの記念展はロートレックとソフィ・カル

メンテナンスのため長期休館している三菱一号館美術館の再開館日が来年11月23日に決定した。19世紀末のパリで活躍したロートレックと、現代美術家のソフィ・カルの作品を展示する「再開館記念―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」展(仮称)も開催する。会期は2024年11月23日〜2025年1月26日。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ 1891 リトグラフ 193.8×119.3cm 三菱一号館美術館蔵

 メンテナンスのため長期休館している三菱一号館美術館の再開館日が来年11月23日に決定。これを記念して展覧会「再開館記念―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」展(仮称)も開催する。会期は2024年11月23日〜2025年1月26日。

 三菱一号館美術館は2010 年、東京・丸の内に開館し、19 世紀後半から20 世紀前半の近代美術を主題とする企画展を年3回開催してきた。赤煉瓦の建物は、三菱が1894 年に建設した「三菱一号館」(ジョサイア・コンドル設計)を復元したもので、復元にあたっては、1894年の三菱一号館竣工時に撮影されたと思われる写真のほか、図面、保存部材から、可能な限り忠実な復元を行った。2023年4月からの長期休館では、空調や照明設備の入れ替え、鉄部の錆や汚れの除去、床材の補修などを実施している。

 本展は、19 世紀末のパリで活躍したアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864〜1901)の多彩な版画やポスターの表現にフォーカスし、同館のコレクションを中心にフランス国立図書館所蔵のロートレック作品と併せて展覧するもの。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ 1891 リトグラフ 193.8×119.3cm 三菱一号館美術館蔵

 さらに、フランスを代表するアーティストのソフィ・カル(1953〜)が、館のコレクションの中からオディロン・ルドンの《グラン・ブーケ(大きな花束)》に着想を得て制作し寄贈した作品を世界初公開するという。

オディロン・ルドン グラン・ブーケ(大きな花束) 1901 キャンバスにパステル 248.3✕162.9cm
三菱一号館美術館所蔵

 ロートレックの作品は三菱一号館美術館が所蔵するコレクションから13 年ぶりにポスター全32点を一挙公開。また、フランス国立図書館と同館が所蔵する《ロイ・フラー嬢》10点を展示することで、1点1点異なる色の刷りを鑑賞できる貴重な機会となるほか、リトグラフ(石版印刷)の刷りのステップを鑑賞することもできる。

 カルに関しては、2020年にコロナ禍で来日が叶わず中止となったコラボレーション展示が4 年の年月を経て実現するかたちとなる。新作のほかにも代表的なシリーズ《なぜなら》、《あなたは何が見えますか?》、《盗まれた絵画》、《フランク・ゲーリーへのオマージュ》からおよそ40 点を展示予定。三菱一号館美術館では初めての、現存作家の展覧会となる。

ソフィ・カル Photographie d’Yves Géant

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