東京都現代美術館での大規模個展が話題のデイヴィッド・ホックニー。その作品展示が、ベネッセアートサイト直島のなかにあるベネッセハウス ミュージアムで始まった。
ベネッセハウスは「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、美術館とホテルが一体となった施設として1992年に開館したもの。安藤忠雄の設計として知られており、直島を象徴する場所だ。
これまでもベネッセハウス ミュージアムの地下1階ではホックニーの 「ホテル・アカトラン」シリーズの中心的作品である183×610cmの油彩画、《ホテル・アカトラン 中庭の回遊》(1985)が展示されていたが、今回はこれに加えて4点が期間限定で公開されている。
《木と空が映ったプール》(1978)は、1964年以降にホックニーが光とともに移ろうプールの水面に魅了され様々な手法で描いたシリーズのひとつ。1978年夏、ニューヨークにある版画工房で作家本人が1点ずつ手作業で制作した作品だ。
「ホテル・アカトラン」シリーズから加わったリトグラフ3点は、1984年にメキシコで開催された展覧会へ向かう道中、車の故障のため滞在したホテルの中庭にインスピレーションを得て描かれた作品。「1日目」「2日目」「2週間後」など6種類あり、徐々に変化する視点を見ることができる。
自然豊かな環境の中にあるベネッセハウスで宿泊し、ホックニーの作品とじっくり向き合う経験をしてみてはいかがだろうか。