木彫とプラモデルが合体。「加藤泉―寄生するプラモデル」展(ワタリウム美術館)
いまや世界各地で作品を発表するアーティスト・加藤泉。その個展「寄生するプラモデル」が、ワタリウム美術館で開催中だ。
加藤は90年代末より画家として本格的にキャリアをスタートさせ、近年ではソフトビニールや石、ファブリックなど多彩な素材を用いた作品制作を展開してきた。本展のメインとなるのは、タイトルにある通りプラモデルを使った新作だ。会場には、ビンテージプラモデルを木彫にコラージュした最新シリーズをはじめ、平面や膨大な数のプラモデルの箱なども展示。また、加藤の石彫をモデルにしたオリジナルのプラモデルは必見だ。
会期:2022年11月6日~2023年3月12日
会場:ワタリウム美術館
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6
電話番号:03-3402-3001
開館時間:11:00~19:00
休館日:月(2023年1月9日は開館)、12月31日〜2023年1月3日
料金:一般 1200円 / 学生(25歳以下)・高校生・70歳以上 1000円 / 小・中学生 500円
オランダを代表する現代アーティスト。「ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台」(東京都現代美術館)
約20年以上にわたり映像作品や映像インスタレーションを発表してきたアーティスト、ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ。その個展が東京都現代美術館で11月12日に開幕する。
オルデンボルフの作品には、シナリオを設定しない撮影にキャストやクルーが登場。彼らがあるテーマについて対話する過程で発露する主観性や視座、関係性をとらえることで、鑑賞者の思考との交差を促すというものだ。本展では、代表的な映像作品から新作まで6点が展示される。
会期:2022年11月12日〜2023年2月19日
会場:東京都現代美術館 企画展示室3階
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00〜18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(1月2日、2月9日は開館)、12月28日〜1月1日、1月10日
料金:一般 1300円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上 900円 / 中高生 500円 /小学生以下無料
暗闇の中でアートと対峙。「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2022」(猿島)
横須賀の無人島「猿島」を舞台に、自然と感覚に向かい合う唯一無二の芸術祭「Sense Island」が3回目の開催を迎える。
「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2022」では、テクノロジーや時間という概念を取り外し、猿島にある自然の文脈を感じながら自己との対峙を叶える作品や体験が展開されるという。また今年は、これまでのコンセプトに加え来訪者の感覚を最大限にひらくために「Behave(感覚行動)」というテーマを設定。さらに、猿島エリアだけではなく横須賀の街中でも展示やプロジェクトが実施される。
会期:11月12日〜12月25日
会場:横須賀市猿島
住所:神奈川県横須賀市猿島1番
開館時間:17:00〜21:30
休館日:平日
料金:一般 3700円 / 小・中学生 1700円 / 小学生未満無料
現代におけるデザインの可能性とは。「宮城壮太郎展──使えるもの、美しいもの」(世田谷美術館)
文房具や調理器具といった、日常のものと空間を数多くデザインした宮城壮太郎(1951〜2011)。その展覧会「宮城壮太郎展 使えるもの、美しいもの」が、11月13日に閉幕する。
宮城は高校在学中にデザイナーとなることを志し、千葉大学工学部工業意匠学科に進学。卒業後は従来にない考え方の商業施設や製品で当時注目を浴びていた浜野商品研究所に勤務し、建築やインテリアをも含め様々なモノをデザインすることを学ぶとともに、全天候型防水カメラ「HD-1」の開発(1979)や、渋谷の東急プラザの総合リノベーション計画(1985)に携わった。
88年の独立後は、アスクルの創業時より関わるとともに、ロゴマークからオリジナル商品まで幅広くデザインした。生前、「デザインに何ができるか」を問い続けた宮城。本展は、日用品、文房具、工業用電気製品からホテルのサイン計画まで、宮城の幅広い仕事を検証するとともに、現代生活のなかでのデザインの可能性を探るものとなっている。(展覧会レポートはこちらから)
会期:2022年9月17日〜11月13日
会場:世田谷美術館 1階展示室
住所:世田谷区砧公園1-2
電話番号:03-3415-6011
開館時間:10:00~18:00 ※入場は17:30まで
休館日:月
料金:一般 1200円 / 65歳以上 1000円 / 大高生 800円 / 中小生 500円
館外で初めて公開。「美をつくし―大阪市立美術館コレクション」(サントリー美術館)
改修工事のため長期休館中の大阪市立美術館。そのコレクションの優品を、館外で初めて一堂に展示する「美をつくし―大阪市立美術館コレクション」が11月13日まで開催されている。
大阪市立美術館は、東京、京都に次ぐ日本で3番目の公立美術館として、1936(昭和11)年に開館。長年にわたり築かれたコレクションは、日本・中国の絵画や書蹟、彫刻、工芸など8500件を超え、紀元前から近代までその内容は多彩だ。
本展は、大阪市立美術館の長期休館を機に、各ジャンルから厳選された優品を紹介するもの。展示は「世界に誇るコレクション 珠玉の中国美術」「祈りのかたち 仏教美術」「日本美術の精華 魅惑の中近世美術」「江戸の粋 世界が注目する近世工芸」「はじまりは『唐犬』から コレクションを彩る近代美術」の全5章で構成されている。
会期:2022年9月14日~11月13日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4(東京ミッドタウン ガレリア3F)
電話番号:03-3479-8600
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:火
料金:一般 1500円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下無料
オピー作品に没入。「OP.VR@PARCO」(PARCO MUSEUM TOKYO)
風景や人物など、アートにおける伝統的なモチーフをピクトグラムやアニメの表現を連想させるシンプルな描画と色彩表現により簡略化した作品で知られているジュリアン・オピー。その日本初となるVR個展「OP.VR@PARCO」が、11月14日まで東京・渋谷のPARCO MUSEUM TOKYOで開催中だ。
本展は、オピーが手がけたVR作品を世界で初めて公開するもの。会場には何も置かれていない空間があり、来場者はVRゴーグルを装着し、その中で複数の異なる展示空間を体験できる。VR空間では、PARCO MUSEUM TOKYOにいるとは思えない巨大な建造物を思わせる作品や動く人物像など、様々な作品を展示。これまでオピー作品を鑑賞したことがある人にとっても、未知の経験となることだろう。
会期:2022年10月21日〜11月14日
会場:PARCO MUSEUM TOKYO(渋谷PARCO 4F)
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1
開館時間:11:00〜20:00(最終日〜18:00) ※入場は閉場の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 1500円(事前予約制) ※ショップは入場無料
毎年恒例。「第74回 正倉院展」(奈良国立博物館)
奈良国立博物館では毎年恒例となる正倉院宝物の一般公開、「正倉院展」が11月14日まで開催されている。
正倉院宝物は、かつて東大寺の倉であった正倉院に収納されていた品々のこと。その数は現在およそ9000件とされ、宝物のうちのほとんどが奈良時代の日本で制作されたと考えられている。「正倉院展」は、これらの正倉院宝物のなかから毎年60件前後が厳選され公開する展覧会。歴史ある宝物の数々を目撃できるチャンスだ。
会期:2022年10月29日~11月14日
会場:奈良国立博物館 東新館・西新館
住所:奈良県奈良市登大路町50(奈良公園内)
電話番号:050-5542-8600
開館時間:9:00~18:00(金土日〜20:00)
休館日:会期中無休
料金:一般 2000円 / 大学・高校生 1500円 / 小中生 500円(観覧には「前売日時指定券」の予約・発券が必要。当日券の販売、奈良国立博物館チケット売場での販売なし)