風景や人物など、アートにおける伝統的なモチーフをピクトグラムやアニメの表現を連想させるシンプルな描画と色彩表現により簡略化した作品で知られているジュリアン・オピー。その日本初となるVR個展「OP.VR@PARCO」が、東京・渋谷のPARCO MUSEUM TOKYOで始まった。会期は11月14日まで。
ジュリアン・オピーは1958年ロンドン生まれ。イギリスの現代アートを代表するアーティストのひとりとして知られており、一目でそれとわかるシンプルな描画と色彩表現による作品は、高い人気を誇る。
本展は、オピーが手がけたVR作品を世界で初めて公開するもの。会場には何も置かれていない空間があり、来場者はVRゴーグルを装着し、その中で複数の異なる展示空間を体験できる。VR空間では、PARCO MUSEUM TOKYOにいるとは思えない巨大な建造物を思わせる作品や動く人物像など、様々な作品を展示。これまでオピー作品を鑑賞したことがある人にとっても、未知の経験となることだろう。
90年代の時点ですでに今回のVR個展を予感させるような作品を制作していたオピー。今回のVRは、コロナ禍によるロックダウンで移動が制限されているなかで着想されたもので、展覧会の拡張可能性を示すものだ。オピーは今後もこのVR作品を継続したいと語っている。
なを、神宮前のMAHO KUBOTA GALLERYでもオピーの個展を同時開催。ダンスを主題とした5点の映像作品と、8点の平面作品で構成された新作展となっており、VR個展とあわせて鑑賞するのがベストだ。