1992年4月1日に開学した山形県唯一の芸術大学・東北芸術工科大学が今年30周年を迎えた。これを記念し、企画展「ここに新しい風景を、」が同学内ギャラリーで開催される。会期は9月3日〜25日。
同大芸術学部美術科日本画コース専任講師の小金沢智がキュレーションを手がける本展。7階のギャラリー「THE TOP」では「ここに新しい風景を、」を全体のコンセプトに据え、8組の卒業生、ひとつのプロジェクト(チュートリアル)で展示を構成。出品作家は、アメフラシ、飯泉祐樹、F/style(五十嵐恵美、星野若菜)、かんのさゆり、近藤亜樹、近藤七彩、多田さやか、西澤諭志。また「東北画は可能か?」より12号作品が多数展示予定となっている。
また1階ギャラリー「THE WALL」では、「東北芸術工科大学開学30年の歴史」の年譜を中心に、大学の変遷を示す写真、元理事長・徳山詳直の言葉や、教職員・卒業生へのインタビュー映像を展示し、大学の歴史を振り返る。
小金沢は本展について、次のようにステートメントを寄せている。
タイトルに付けた読点には、この土地に抱かれ、この地域の人々によって育まれた東北芸術工科大学という「新しい風景」から、さらに新しいもの・ことが生まれていく、派生していくイメージを込めています。
もっとも、ある土地が「新しい風景」へと変化するのは、人為的開発だけが理由ではありません。2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原子力発電所事故は、自然災害と人為によって、風景が思いがけない形で一変してしまう可能性があることを、その脅威をもって私たちに知らしめました。あるいは、昨今のパンデミックも、私たちの日常風景を著しく変化させてやみません。
本展が、時代が大きく変動しているこの時代に、私たちの生きるそれぞれの土地——風景を見つめる機会にもなれば幸いです。皆さまのご来場をお待ちしています。(リリースより一部抜粋)
なお、同大が主催する芸術祭「山形ビエンナーレ2022」も同時期に開催(9月3日〜25日の金土日祝のみ)されるので、あわせてチェックしてほしい。