2022.5.20

ダミアン・ハーストの桜から永青文庫の仙厓コレクションまで。今週末に見たい展覧会ベスト4

今週開幕/閉幕する全国の展覧会のなかから、とくに注目したい4つをピックアップしてお届け。最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「ダミアン・ハースト 桜」展示風景より
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オープン記念第2弾。「光陰礼讃 モネからはじまる住友洋画コレクション」(泉屋博古館東京)

クロード・モネ モンソー公園 1876 泉屋博古館東京蔵

 今年リニューアル開館を迎えた六本木の泉屋博古館東京が、館蔵による名品展「光陰礼讃 モネからはじまる住友洋画コレクション」を開催する。本展は3〜5月に開催された「日本画トライアングル 画家たちの大阪・京都・東京」展に続く、リニューアル・オープン記念の第2弾だ。
 
 本展の主役は住友コレクションの一角を占める近代洋画。19世紀末のフランスのおいて、台頭する印象派と衰退していく古典的写実派の作品をともに揃って収集されているところにその特徴がある。

 本展では、光を追い求めた印象派と陰影表現による実在感を追究した古典派を「光陰」ととらえ、この2つの流れから滋養を受けて展開された日本近代洋画の数々を、絵画史の流れに沿って紹介するもの。主な出展作家は、印象派からクロード・モネ、古典派からジャン=ポール・ローランス、そして藤島武二、和田英作、岡田三郎助、山下新太郎など。

会期:2022年5月21日〜7月31日
会場:泉屋博古館東京
住所:東京都港区六本木1-5-1
開館時間:11:00~18:00(金〜19:00)※最新情報は公式ウェブサイトにて要確認
料金:一般 1000円 / 大学・高校生 600円 / 中学生以下無料

好評企画の第2弾。「仙厓ワールド―また来て笑って!仙厓さんのZen Zen 禅画―」(永青文庫)

仙厓義梵 龍虎図(左幅) 江戸時代後期(19世紀)永青文庫蔵 前期展示

 設立者・細川護立(もりたつ、1883~1970)が集めた仙厓義梵(せんがい・ぎぼん、1750~1837)の作品100点以上を所蔵する永青文庫で展覧会「仙厓ワールド―また来て笑って!仙厓さんのZen Zen 禅画―」が開幕する。

 ユーモアに富んだ書画を通して禅の教えを広く伝えたことで知られている江戸時代後期の禅僧・仙厓。永青文庫では2016年に「仙厓ワールド―来て見て笑って!仙厓さんのゆるカワ絵画―」を開催し、好評を博した。これに続く第2弾となる本展では、選りすぐりの仙厓作品に加え、兄弟子にあたる誠拙周樗(せいせつ・しゅうちょ、1745~1820)など、仙厓周辺の禅僧による書画をあわせて展示。これまでほとんど取り上げる機会のなかった、知られざる禅画コレクションの一端を見ることができる好機だ。

会期:[前期]2022年5月21日~6月19日、[後期]2022年6月22日~7月18日
会場:永青文庫
開館時間:10:00~16:30(入館は16:00まで)※最新情報は公式ウェブサイトにて要確認
休館日:月(7月18日は開館)、6月21日
料金:一般 1000円 / 70歳以上 800円 / 大学・高校生 500円 / 中学生以下無料

歴史ある空間との呼応。「落合陽一 遍在する身体 交錯する時空間」(日下部民藝館)

日下部民藝館 外観 ©︎ 落合陽一

 岐阜県にある日下部民藝館で開催中の落合陽一による特別展「落合陽一 遍在する身体 交錯する時空間」が今週末で閉幕する。

 落合は本展に際し、飛騨の人々に導かれて土地を巡り、その自然や歴史、文化に向き合った。「円環に帰す 炭素・デジタル・情念と物語の形」として、日下部民藝館の歴史ある空間でのインスタレーションが展開されている。

 会場となる日下部民藝館は、民藝の父・柳宗悦に共鳴した日下部家当主により開館し55周年を迎える歴史ある施設。商家・日下部家の旧宅からなる同館は重要文化財に指定されており、江戸時代に町衆文化が栄えた飛騨の町家建築の伝統と技、当時の人々の息づかいをいまに伝えている。時間を超えた場所と作家の共鳴に注目だ。

会期:2022年4月9日~5月22日
会場:日下部民藝館
開館時間:10:00~16:00 ※最新情報は公式ウェブサイトにて要確認
休館日:火
料金:一般 1000円 / 大学・高校生 800円 / 小・中学生 600円

ついに閉幕。「ダミアン・ハースト 桜」(国立新美術館)

「ダミアン・ハースト 桜」展示風景より

 イギリスを代表する現代アーティストのひとりであるダミアン・ハースト。その日本初となる大規模個展「ダミアン・ハースト 桜」展がついに5月23日をもって閉幕する。

 本展は、パリのカルティエ現代美術財団と国立新美術館が主催するもので、ダミアンが2018年より制作を開始した最新作「桜」シリーズを日本で初公開するもの。丸3年をかけ、合計107点の作品を完成したなかから、国立新美術館の空間にあわせてハーストが選んだ24点の作品が展示されている。天井高が5メートルにおよぶ国立新美術館の展示室に並ぶのは、すべて縦2.7メートル以上の大作。絵画そのものだけでなく、展覧会全体をインスタレーションとしても鑑賞してみてほしい。

会期:2022年3月2日〜5月23日
会場:国立新美術館 企画展示室2E
開館時間:10:00〜18:00(金土〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火
料金:一般 1500円 / 大学生 1200円 / 高校生 600円 / 中学生以下無料