1960年代の活動当初から一貫して東京の様相をカメラでとらえ続け、80歳を過ぎた現在も世界の第一線で活躍する写真家・森山大道。「ongoing(=進行中、進化し続ける)」をテーマに、その最近作を中心に紹介する個展「森山大道の東京 ongoing」が東京都写真美術館で開催される。会期は6月2日~9月22日。
森山は1938年大阪生まれ。61年に上京し、写真家・細江英公の助手として『薔薇刑』(集英社、1963)の制作に携わる。64年に独立し、67年『カメラ毎日』に連載したシリーズ「にっぽん劇場」などが評価され、日本写真批評家協会新人賞を受賞。68年、写真同人誌『プロヴォーク』の第2号から参加し、「アレ・ブレ・ボケ」と呼ばれるラディカルな表現で話題を呼んだ。
近年では、2013年にパリのカルティエ財団現代美術館で個展「DAIDO TOKYO」が、テート・モダンではウィリアム・クラインとの2人展が開催。19年には「写真界のノーベル賞」とも言われる「ハッセルブラッド国際写真賞」を受賞した。本展は受賞後、国内初の美術館における大規模個展となる。
本展では、自身のセルフポートレイトとも言える重要作《三沢の犬》(1971)に代表されるモノクロ作品に加え、カラー作品も紹介。シリーズ「Pretty Woman」(2017)などの最近作を中心に、カラーの大型プリントを含めたダイナミックな展示で、約120点を紹介する。
現在も毎日のように東京の街を撮り続けているという森山。写真家と東京、ふたつの「ongoing」が重なる本展はどのような街の姿を浮かび上がらせるのだろうか。