装いの変遷から加藤泉の大規模個展まで、今週末に見たい3つの展覧会

今週スタートした展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。この機会をお見逃しなく。

「加藤泉―LIKE A ROLLING SNOWBALL」会場風景より

ファッションはどこから来て、どこへ行く?「ドレス・コード?――着る人たちのゲーム」(京都国立近代美術館

会場風景より、グッチ/アレッサンドロ・ミケーレ(2018年秋冬)

 日々の生活に根付く「服を着る」という行為。そこには暗黙のドレス・コードとも言える様々な規範やルールが存在し、私たちを見る/見られるという関係性のなかに取り込む。そんな「ファッション」と人々の関わりに焦点を当てた展覧会「ドレス・コード?――着る人たちのゲーム」が、京都国立近代美術館で開幕した。

 会場に並ぶのは、京都服飾文化研究財団(KCI)が所蔵するコレクションを中心とした衣服、美術作品など約300点。歴史的な衣装から各時代を代表するスーツや制服、そしてグッチ、コム デ ギャルソン、ヴェトモンといった人気ブランドによる最新のスタイルまでを展観する。

 加えて注目したいのは、アンディ・ウォーホルやジェフ・クーンズ作品とファッションの接続や、都築響一が切り取る強烈な装いに身を包んだ若者のイメージ、そしてチェルフィッチュ、マームとジプシーが見せるインスタレーション。本展では、「ファッション」を多様な切り口から見つめ直すことができるだろう。

会期:2019年8月9日〜10月14日
会場:京都国立近代美術館
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町
開館時間:9:30~17:00(金土〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし8月12日、9月16日、9月23日、10月14日は開館)、8月13日、9月17日、9月24日、10月15日
料金:一般 1300円 / 大学生 900円 / 高校生 500円 / 中学生以下無料
 

加藤泉の新境地を親密な空間構成で。「加藤泉―LIKE A ROLLING SNOWBALL」(原美術館

会場風景より

 東京・品川の原美術館では、原始美術を思わせる木彫や絵画で知られるアーティスト、加藤泉による個展「加藤泉―LIKE A ROLLING SNOWBALL」がスタート。

 90年代半ばから、一貫して人のような形をモチーフとしてきた加藤。近年ではソフトビニールや石など多様な素材を用いて制作を行っている。本展では新たな試みのひとつである、大判のファブリックを用いたインスタレーションを発表。加えて絵画や彫刻など最新作30点を、加藤自身によるこだわりの設えのなかで見ることができる。

 なお現在、群馬の別館ハラ ミュージアム アークでも加藤による同名の個展が開催中(~2020年1⽉13⽇)。帰省や旅行の際には、こちらも訪れてみてはいかがだろうか。

会期:2019年8⽉10⽇〜2020年1⽉13⽇
会場:原美術館
住所:東京都品川区北品川4-7-25
電話番号:03-3445-0651
開館時間:11:00〜17:00(⽔〜20:00) ※⼊館は閉館の30分前まで
休館日:⽉(ただし8⽉12⽇、9⽉16⽇、23⽇、10⽉14⽇、11⽉4⽇、2020年1⽉13⽇は開館)、8⽉13⽇、9⽉17⽇、24⽇、10⽉15⽇、11⽉5⽇、年末年始
料金:⼀般 1100円 / 大学・高校⽣ 700円 / ⼩・中学⽣ 500円 / 70歳以上 550円 ※学期中の⼟曜⽇は⼩学・中学・高校⽣の⼊館無料
 

巨匠たちと現代美術の出会い。「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」(ポーラ美術館

会場風景より、セレスト・ブルシエ=ムジュノ 《クリナメン v.7》(2019)

 モネやピカソの絵画や東洋磁器の豊かなコレクションを有する神奈川・箱根町のポーラ美術館。ここでは、同館の開館以来初となる現代美術の展覧会「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」が開幕した。

 本展は国内外のアーティストによる多様な表現で、過去の巨匠たちの作品に新たな角度から光を当てようとするもの。水面に浮かぶ陶器が音色を奏でるインスタレーションを手がけるセレスト・ブルシエ=ムジュノとモネ、様々な器の奥に響く声を捉えて音楽を生み出すオリヴァー・ビアと東洋磁器など、新旧の作品による「セッション」を楽しむことができる。

 加えて、スーザン・フィリップスによる野外インスタレーションなど「見る」だけでなく「体感する」作品にも注目。本展では、私たちの感覚を揺さぶる新たなリズムを感じることができるだろう。なお同館に立ち寄る際には、夏休み期間にあわせて展開されている様々なイベントもチェックしてほしい。

会期:2019年8月10日〜12月1日
会場:ポーラ美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
電話番号:0460-84-2111
開館時間:9:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:大人 1800円 / 65歳以上 1600円 / 大学・高校生 1300円 / 中学生以下無料

編集部

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