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INSIGHT - 2019.7.15

夏休みは美術館へ! タラブックスから「デザインあ」まで、注目の展覧会をピックアップ【西日本編】

夏休みはアウトドアや芸術祭だけではなく、涼しい美術館へ展覧会を見に行くのも楽しみのひとつ。日本各地で開催されている展覧会のなかから、編集部注目の展覧会を地域ごとに厳選して紹介する。第3弾は西日本編。

 

岡崎智弘 じかんのかたち Photo: ©SATOSHI ASAKAWA(「デザインあ展 in KUMAMOTO」出品作品)

タラブックスの原画と映像を展示。「世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦」(細見美術館)

撮影=松岡宏大

 インド南部のチェンナイを拠点とする出版社で、 1994年の設立以来、子どもや大人向けにハンドメイド本やビジュアルブックの出版を中心に行ってきた「タラブックス」。編集者、作家、画家、デザイナーや印刷職人が意見を出し合うチームで、本のかたちの可能性を学び、追及し続けてきたタラブックスの取り組みと本の魅力にせまる展覧会が夏休み期間は京都・細見美術館に巡回中だ。

 人気の手づくり絵本『夜の木』を中心に、ゴンド族の作品を用いた絵本とその原画や、先住民画家とタラブックスが対話を重ねて生み出した本など、児童文学、写真、グラフィックノベル、芸術、美術教育など多彩なジャンルの本の魅力を楽しんでほしい。

会期:2019年6月25日〜8月18日
会場:細見美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
電話番号:075-752-5555
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月(祝日の場合は火曜日休館)
料金:一般 1300円 / 学生 900円

 

記憶や過去を背負って歩き続けるための術。「山口啓介 後ろむきに前に歩く」(広島市現代美術館

山口啓介 共存する2つの顔、世界/のためのcore 2017

 1980年代後半、方舟を描いた大型の銅版画作品でデビューし、一躍注目を浴びた山口啓介の大規模な個展が広島市現代美術館で開催中だ。版画にとどまらず、花や種子、心臓、人体とモチーフを変化させながら、絵画や立体などさまざまなかたちで作品を生みだしてきた山口。東日本大震災が起きた3日後からは、1日も欠かすことなく《震災後ノート》を書き続けている。

  「人は未来を見ることはできず、見えるのは過去か、今という瞬間だけだから、後ろむきに前に進んでいるようなものだ」と山口は語る。本展では、重なる顔をモチーフにした新作の大型絵画も展覧できる。

 広島への原爆投下、終戦の日をはじめ、歴史を振り返る機会も多い夏休み期間。たくさんの過去や記憶を背負いながら歩きつづけるための術を、山口とともに探ってみていはいかがだろうか。

会期:2019年6月8日〜9月4日
会場:広島市現代美術館 A展示室
住所:広島市南区比治山公園1-1
電話番号:082-264-1121
開館時間:10:00〜17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし7月15日、8月12日は開館、翌日休館)
料金:一般 1000円 / 大学生 700円 / 高校生・65歳以上 500円 / 中学生以下無料

 

瀬戸内の景色や時間をテーマとした新作も。「宮永愛子:漕法」(高松市美術館

宮永愛子 川から海がはじまるとき 2007 写真=上野則宏 © MIYANAGA Aiko Courtesy of Mizuma Art Gallery

 常温で昇華するナフタリンなどを素材に、「変わりながらも存在し続ける世界」を繊細に表現してきた宮永愛子。その四国初の大規模個展が7月17日に高松市美術館で開幕する。

 本展では、瀬戸内の景色やそこで暮らしてきた人々が積み重ねる時間をテーマに、澄んだ音色を奏でる讃岐名石「サヌカイト」を素材とする新作インスタレーション、代表的なシリーズである「手紙」や「life」などを展示。「瀬戸内国際芸術祭2019」参加展覧会でもある本展。海の結ぶ景色や時間の痕跡を想起させる、清涼な世界観に浸ってほしい。

会期:2019年7月17日~9月1日
会場:高松市美術館
住所:香川県高松市紺屋町10-4
電話番号:087-823-1711
開館時間:9:30~19:00(日〜17:00) ※入室は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし8月12日は開館)
料金:一般 1000円 / 大学生 500円 / 高校生以下無料

 

アニメ界デビューから55年、初の回顧展。「富野由悠季の世界―ガンダム、イデオン、そして今」(福岡市美術館

  ©手塚プロダクション・東北新社 ©東北新社 ©サンライズ ©創通・サンライズ©サンライズ・バンダイビジュアル・バンダイチャンネル ©SUNRISE・BV・WOWOW ©オフィス・アイ

 「機動戦士ガンダム」シリーズのほか、『伝説巨神イデオン』『聖戦士ダンバイン』といった数多くのオリジナルアニメーションの総監督を務め、国内外のアニメシーンに多大な影響を与えてきた富野由悠季。その55年にわたる仕事を通覧する展覧会「富野由悠季の世界―ガンダム、イデオン、そして今」が、福岡市美術館で開催中だ。

 ロボットアニメでは常識とされてきた勧善懲悪的なストーリーを退け、シリアスな人間ドラマを描いた富野。本展では「旅立ちと帰還、対立と和解、生と死、破滅と再生」をテーマに、直筆の絵コンテのほか、デザイン画、原画、撮影に使われたセル画などの資料から、その仕事を検証する。

 今後、兵庫、島根、青森などへと巡回予定の本展。夏休み期間を利用し、福岡でいち早くでチェックしてはいかがだろうか。

会期:2019年6月22日~9月1日
会場:福岡市美術館
住所:福岡市中央区大濠公園1-6
電話番号:092-714-6051
開館時間:9:30~17:30(7・8月の金土 〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし7月15日と8月12日は開館、翌日休館)
料金:一般 1400円 / 高校・大学生 700円 / 小・中学生 500円

 

人気番組のコンセプトが体験の場に。「デザインあ展 in KUMAMOTO」(熊本市現代美術館

観察のへや ©SATOSHI ASAKAWA

「デザインあ」はNHK Eテレで放送されている教育番組。私たちの身の回りに当たり前に存在しているモノを「デザイン」の視点から徹底的に見つめ直し、斬新な映像手法と音楽で表現。子供たちに「デザインの面白さ」を伝え、「デザイン的な視点と感性」を育む一歩となることを試みてきた。

 熊本市現代美術館で開催中「デザインあ展」は、この番組のコンセプトを実際の体験に発展させたもの。身のまわりに意識を向け(みる)、どのような問題があるかを探り出し(考える)、よりよい状況を生み出す(つくる)という一連の思考力と感性=「デザインマインド」を見て、体験できる展覧会だ。

 子供はもちろん、大人も「見る」「考える」「つくる」の豊かさを体感できる本展をお見逃しなく。

会期:2019年6月30日~9月8日
会場:熊本市現代美術館
住所:熊本県熊本市中央区上通町2-3
電話番号:096-278-7500
開館時間:10:00~20:00 ※展覧会入場は閉館の30分前まで
休館日:火
料金:一般 1300円 / シニア(65歳以上)1000円 / 学生 800円 / 中学生以下無料

 上記の展覧会以外にも、大阪・国立国際美術館での「抽象世界」展(〜8月4日)、京都国立近代美術館での「トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美」(〜7月28日)、沖縄県立博物館・美術館での「ジブリの大博覧会」(〜9月8日)なども夏休み期間に開催中。気になる展覧会は早めのチェックをおすすめしたい。