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夏休みは美術館へ! 恐竜から「あそびのじかん」まで、注目の展覧会をピックアップ【大人も子供も楽しめる編(1)】

夏休みはアウトドアや芸術祭だけではなく、涼しい美術館へ展覧会を見に行くのも楽しみのひとつ。日本各地で開催されている展覧会のなかから、編集部注目の展覧会を地域ごとにピックアップ! 第4弾は子供も大人も一緒に楽しめる展覧会に注目し、首都圏の展覧会を紹介する。

 

開発好明 受験の壁(2016年再制作) 参考図版 写真=開発好明

恐竜の重要標本が一堂に。「恐竜博2019」(国立科学博物館)

ティラノサウルス 復元骨格 © Courtesy of The Royal Saskatchewan Museum, Sandra Foreman Photography 北海道むかわ町穂別博物館蔵

 上野の国立科学博物館では、「恐竜博2019」が開催中だ。今年は「恐ろしいツメ」という意味の学名を持つ肉食恐竜・デイノニクスの命名から50年目に当たる年。デイノニクスの発見により、「恐竜ルネサンス」という新しい恐竜観が発展し、恐竜学の新しい時代が始まったとされている。

 本展ではそんなデイノニクスの貴重なホロタイプ標本が日本初公開されるほか、約40年間「謎の恐竜」とされてきたデイノケイルスや、北海道・むかわ町で発見され話題を呼んだ化石などを紹介。恐竜研究の最新成果を見ることができる。

会期:2019年7月13日~10月14日
会場:国立科学博物館
住所:東京都台東区上野公園7-20
電話番号:03-5777-8600
開館時間:9:00~17:00(金土〜20:00)
休館日:9月2日、9日、17日、24日、30日
料金:一般・大学生 1600円 / 小学・中学・高校生 600円 / 未就学児ならびに障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
 

様々なスポーツの考え方を発見する。「見る、楽しむ、考える スポーツ研究所」(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]

時里充 見た目カウント レッスン① 2016 参考図版 撮影=木奥恵三 写真提供=NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

 毎年夏にキッズ・プログラムを行ってきた初台のICC。今年は「見る、楽しむ、考える スポーツ研究所」として、スポーツを観客として見る/プレイヤーとして楽しむ/スポーツのルールや仕組みを考えるなど、「新たな見方でスポーツを研究すること」をテーマに開催中だ。

 展示作品はダンサーのAokidと福留麻里、アーティストの時里充による《テーブルテニスダンサーズ》、伊藤亜紗/林阿希子/渡邊淳司による《手のひらで感じるテニス》など。触覚・通信技術を利用した芸術表現や様々なスポーツの考え方を通じて、想像力を広げる体験ができる場となっている。会期中には、アーティストによるワークショップやパフォーマンスの開催も予定されている。

 なお現在ICCでは、展覧会「オープン・スペース2019 別の見方で」も開催中。こちらもあわせてチェックしたい。

会期:2019年7月20日~8月25日
会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
電話番号:0120-144199
開館時間:11:00~18:00
休館日:8月4日、8月5日、8月13日、8月19日
料金:無料
 

みんなでつくる工芸の展覧会。「所蔵作品展 みた?―こどもからの挑戦状」(東京国立近代美術館工芸館

田嶋悦子 Cornucopia 08-Y2 2008 東京国立近代美術館蔵

 「子供に工芸の鑑賞は難しいのではないか」。そんな声を受け、2002年夏に「こども工芸館」と題した鑑賞プログラムをスタートさせた東京国立近代美術館工芸館。今年は「所蔵作品展 みた?―こどもからの挑戦状」が開催されている。

 本展は、そんな「こども×おとな工芸館」の集大成と言えるもの。作品を見た子供たちが切り取った工芸の根源的な姿を元に、色や模様、質感、調度などこれまでに取り組んだテーマを再構成。また好評を博したワークシート「みんなでつくる工芸図鑑」など、約15年にわたる参加者たちの鑑賞の軌跡も一挙に展示される。

 2020年、石川県に移転予定の同館。重要文化財の赤レンガの洋館で作品を鑑賞できる最後の夏となる。なお、ほど近くの東京国立近代美術館本館では「高畑勲展─日本のアニメーションに遺したもの」が開催中のため、あわせて回るのもおすすめだ。

会期:2019年7月13日~9月1日
会場:東京国立近代美術館工芸館
住所:東京都千代田区北の丸公園1-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし8月12日は開館)、8月13日
料金:一般 250円 / 大学生 130円 / 65歳以上・高校生以下・18歳未満無料 ※8月4日、9月1日は無料観覧日
 

美術館で遊ぶ、考える。「あそびのじかん」(東京都現代美術館

展示風景より、タノタイガ《タノニマス》(2007)

 清澄白河の東京都現代美術館では、「あそびのじかん」展がスタート。本展は従来の考えやルールを外れ、新しい価値や法則を発見するきっかけとしての「遊び」にフォーカスするもの。開発好明、タノタイガ、野村和弘、ハンバーグ隊、TOLTA、うしおの6組が参加し、体験型の作品では実際に遊ぶことも可能。

 開発は受験戦争のプレッシャーを積み重なるタンスで表した《受験の壁》を展示。またタノタイガによる《タノニマス》では、作家自身の顔をかたどったお面にデコレーションを施すことができる(整理券制)。

 加えて同館では、今年で4回目を迎える「MOTサテライト」が開催中。「地図」をテーマに、メイン会場である館内のほか、周辺地域のカフェや店舗など7ヶ所で作品を見ることができる。

会期:2019年7月20日〜10月20日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜18:00(8月2、9、16、23、30日 〜21:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし8月12日、9月16日、23日、10月14日は開館)、8月13日、9月17日、24日、10月15日
料金:一般 1200円 / 大学生・専門学校生・65歳以上 850円 / 中学・高校生 600円 / 小学生以下無料 ※8月の毎週金17:00~21:00はサマーナイトミュージアム割引、学生無料(要証明。一般・65歳以上は団体料金)
 

《子どものへや》が出現。「『ちひろさんの子どもたち』谷川俊太郎×トラフ建築設計事務所」(ちひろ美術館・東京

いわさきちひろ 赤い帽子の男の子 1971

 練馬区のちひろ美術館・東京は、絵本画家・いわさきちひろ(1918~74)が最後の22年間を過ごした自宅兼アトリエにつくられた美術館。ここでは「ちひろさんの子どもたち」をテーマとした、詩人・谷川俊太郎とトラフ建築設計事務所のコラボレーション展が開催中だ。

 本展では、70年以上詩作を続けてきた谷川による「子どもの詩」をちひろの絵とともに展示するほか、書き下ろしの新作詩『ぼうしさん』も発表。またトラフ建築設計事務所は、ちひろの絵でたくさんの子供が帽子をかぶっていることに着目し、大きな麦わら帽子型の《子どものへや》を設計。会期中には、その中で絵本の読み聞かせや様々なワークショップが行われる。

会期:2019年8月2日~10月27日
会場:ちひろ美術館・東京
住所:東京都練馬区下石神井4-7-2
電話番号:03-3995-0612
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月(祝日の場合は翌平日) ※2019年8月2日〜25日は無休
料金:大人 800円 / 高校生以下無料

 そのほかにも現在、日本科学未来館では「恐竜博2019」とあわせて見たい「マンモス展」が開催中(~11月4日)。神奈川・横須賀美術館では絵本作家・せなけいこの仕事を展観する「『ねないこだれだ』誕生50周年記念 せなけいこ展」(~9月1日)が、箱根・彫刻の森美術館では「ちょうこくの森アートライヴ2019」(~9月23日)が開催されている。気になる展覧会は、早めのチェックをおすすめしたい。

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