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INSIGHT - 2019.7.13

夏休みは美術館へ! ボルタンスキーから塩田千春展まで、注目の展覧会をピックアップ【首都圏編】

夏休みを利用して訪れたい、編集部が注目する展覧会を地域ごとに5つずつピックアップ。第1回は首都圏編。

「塩田千春展:魂がふるえる」展示風景より、《不確かな旅》(2016)

ボルタンスキーの集大成を東京で。
「クリスチャン・ボルタンスキー - Lifetime」
(国立新美術館)

展示風景より、手前は《青春時代の記憶》(2001)

 フランス現代美術を牽引するクリスチャン・ボルタンスキー。その初期作品から最新作までを網羅できる国内最大規模の回顧展「クリスチャン・ボルタンスキー − Lifetime」が、大阪の国立国際美術館に続き、東京の国立新美術館に巡回している。

 子供の肖像写真と電球を祭壇のように組み合わせ、宗教的な問題への意識を促した代表作のひとつ「モニュメント」シリーズをはじめ、初期の映像作品《咳をする男》(1969)や、《保存室(カナダ)》(1988)などが並ぶ本展。ボルタンスキーは、本展が巡回する3会場(国立国際美術館・国立新美術館・長崎県美術館)の差異に注目し、各会場に合わせたインスタレーションを手がけている。

 また現在、ボルタンスキーは、東京・表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京でも個展「アニミタスⅡ」を開催中。作家活動の核となる作品を、2つの異なる空間で堪能できる機会だ。

クリスチャン・ボルタンスキー − Lifetime
会期:2019年6月12日~9月2日
会場:国立新美術館 企画展示室2E
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~18:00(7・8月の金土〜21:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火
料金:一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生 800円 / 中学生以下無料

闘病を経た作家の魂の機微。
「塩田千春展:魂がふるえる」
(森美術館)

展示風景より、《集積―目的地を求めて》(2016)

 空間に糸を張り巡らせた展示や、履き古された膨大な数の靴を使った展示など、没入型のインスタレーションで知られる塩田千春。現在、六本木の森美術館では、その20年間の活動を振り返る塩田の大規模個展「塩田千春展:魂がふるえる」が開催されている。

 塩田が本展のオファーを受けたのは約2年前。しかしながらそのオファーがあった翌日、12年前に患った癌が再発していることが発覚し、塩田は闘病を続けながら本展の準備に注力してきたという。

 塩田が死と寄り添いながらつくり上げたこの展覧会は、総展示作品数113点、うち18点が新作で構成されている。作品を通じて「生きることとは何か」を探ってきた塩田の作品から魂の機微を感じ取ってほしい。

塩田千春展:魂がふるえる
会期:2019年6月20日~10月27日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~22:00(火 〜17:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 1800円 / 65歳以上 1500円 / 高校・大学生 1200円 / 4歳~中学生 600円

絵を描かない高畑勲の「演出術」とは。
「高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの」
(東京国立近代美術館)

展示風景より、『アルプスの少女ハイジ』のセル画や背景画

 『平成狸合戦ぽんぽこ』『かぐや姫の物語』などのスタジオジブリの映画作品や、『アルプスの少女ハイジ』をはじめとするテレビシリーズを手がけた高畑勲。

 日本のアニメーション界に大きな足跡を遺しながら、2018年に逝去した高畑の没後初となる回顧展「高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの Takahata Isao: A Legend in Japanese Animation」が、竹橋の東京国立近代美術館で開催されている。

 本展は、高畑の仕事を60年代から時系列に沿って紹介。優秀なアニメーターや美術監督らが携わってきた絵コンテ、背景画、レイアウト、色彩設計などの膨大な資料が、高畑直筆の企画ノートとともに展示されている。

 自身では絵を描かない監督として知られる高畑の「演出」とは何か? 本展では、高畑が様々なクリエイターと協働しながら、数々の名作が生み出すまでの軌跡をたどることができる。

高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの
会期:2019年7月2日~10月6日
会場:東京国立近代美術館 1階企画展ギャラリー
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜17:00(金土〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし祝日・振替休日の場合は開館、翌日休館)
料金:一般 1500円 / 大学生 1100円 / 高校生 600円 / 中学生以下無料

日本の美術館では11年ぶりとなる個展。
ジュリアン・オピー展
(東京オペラシティ)

展示風景より

 ジュリアン・オピーは、80年代にヨーロッパのアートシーンで頭角を表して以来、現点と線という最小限の視覚言語によって生き生きとした人物像や風景を表現してきた。シンプルながらもモデルの個性や性格を的確に伝えるポートレイトで知られるオピーだが、近年は、人物の全身を側面から表現した作品が多く、また単純化/簡略化の傾向を強めている。

 そんなオピーの日本の美術館では11年ぶりとなる個展が、初台の東京オペラシティ アートギャラリーにて開催中だ。本展は、オピーの自選による絵画、彫刻、映像など、本展で初めて公開される新作を中心に構成。BGMのように聴こえてくる会場内の音楽も、オピーの作品の一部となっている。

 世界の主要な美術館に作品が所蔵され、アートシーンを牽引してきたオピーの最新の作品世界を知ることができる本展。平面作品と立体作品に分けられた会場構成も大胆かつ明快だ。

ジュリアン・オピー展
会期:2019年7月10日〜9月23日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:11:00〜19:00(金土〜20:00)
休館日:月(祝日の場合は翌平日)、8月4日(全館休館日)
料金:一般 1200円 / 大学・高校生 800円 / 中学生以下無料

虫の多様な姿から学びを得る展覧会。
「虫展 −デザインのお手本−」
(21_21 DESIGN SIGHT)

隈研吾建築都市設計事務所+江尻憲泰 新作イメージ

 グラフィックデザイナーの佐藤卓が展覧会ディレクターを、虫好きとして知られる解剖学者の養老孟司が企画監修を担当する「虫展 −デザインのお手本−」が、六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催される。

 本展は、人類よりも長い歴史のなかで進化を続けてきた多様な虫の姿から、デザインの新たな一面を学ぶための展覧会。隈研吾建築都市設計事務所+アラン・バーデン/江尻憲泰/佐藤淳のほか、アニメーション作家の水江未来、インダストリアルデザイナーの山中俊治など、各分野で活躍するクリエイターが参加する。

 小さな身体を支える骨格を人工物に当てはめたものや、翅(はね)を上手に仕舞う仕組みをロボットに応用したもの、幼虫がつくり出す巣の構造を建築に活かしたものなど、虫から着想を得て制作された多彩な作品が並ぶ。

虫展 −デザインのお手本−
会期:2019年7月19日〜11月4日
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2
住所:東京都港区赤坂9-7-6
電話番号:03-3475-2121
開館時間:10:00〜19:00(入場は18:30まで)
料金:一般 1200円 / 大学生 800円 / 高校生 500円 / 中学生以下無料
休館日:火(10月22日は開館)

 また夏休みの時期にあわせて、東京都現代美術館では「あそびのじかん」「MOTサテライト2019 ひろがる地図」のふたつの展覧会が開催されるのでこちらも注目したい。

 「あそびのじかん」(7月20日~10月20日)は、従来の考えやルールを外れて新しい価値や法則を発見するきっかけとしての「遊び」にフォーカスし、6組の作家を紹介する展覧会。体験型作品では実際に遊ぶことができるほか、アーティストと触れ合う様々なプログラムも実施される。

 「MOTサテライト2019 ひろがる地図」(8月3日~10月20日)では、リニューアル後の同館をメイン会場に、清澄白河のカフェや店舗ほか7ヶ所で作品展示。美術館を出た後も、新旧の文化が交わる街の探検を楽しむことができる。