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2019.7.14

夏休みは美術館へ! チームラボから人気絵本のひみつまで、注目の展覧会をピックアップ【東日本編】

夏休みはアウトドアや芸術祭だけではなく、涼しい美術館へ展覧会を見に行くのも楽しみのひとつ。日本各地で開催されている展覧会のなかから、編集部が注目する展覧会を地域ごとに5つずつピックアップ! 第2弾は東日本編。

 

紫舟+チームラボ まだ かみさまが いたるところにいたころの ものがたり 2013 Interactive Digital Installation Calligraphy: Sisyu Sound: Hideaki Takahashi
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「ストランドビースト」に出会う。「テオ・ヤンセン展」(札幌芸術の森美術館

テオ・ヤンセン アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ 2013 ©Theo Jansen

 豊かな自然のなかに、美術館や工房など様々な施設が点在する「札幌芸術の森」。そのなかに位置する札幌芸術の森美術館では、「テオ・ヤンセン展」が開催中だ。

 ヤンセンは1948年オランダ生まれ。90年代から「ストランドビースト」の制作を開始し、以来芸術と科学を横断する試みを続けてきた。「ストランドビースト」は風を動力源として体を滑らかに動かす、巨大生命のような造形物のこと。プラスチックチューブの骨格が砂浜を駆け回る様子に見覚えがある人も多いのではないだろうか。

 本展では、日本初公開の5作品を含む約12作品を展示。会期中には毎日1時間ごとに、「ストランドビースト」が実際に動く姿を見ることができる。

会期:2019年7月13日~9月1日
会場:札幌芸術の森美術館
住所:札幌市南区芸術の森2-75
電話番号:011-591-0090
開館時間:9:45~17:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 1300円 / 高校・大学生 800円 / 小・中学生 500円

 

「共創」を体験する。「チームラボ 学ぶ!未来の遊園地と、花と共に生きる動物達」(北海道立帯広美術館

チームラボ 花と共に生きる動物達 2017 Sound: Hideaki Takahashi

 チームラボによる「学ぶ!未来の遊園地」は、他者とともに自由に世界を創造することを楽しむ「協働的な創造性、共創」をコンセプトに、国内外で実験的に行われてきた。

 今回は「チームラボ 学ぶ!未来の遊園地と、花と共に生きる動物達」が、北海道立帯広美術館で開催される。本展では、鑑賞者が描いた魚がスクリーンを泳ぎ出す《お絵かき水族館》や、実際に上を滑って体験できる《すべて育てる!フルーツ畑》、そして《花と共に生きる動物達》など6作品が展示される。

 なお会期中は、《お絵かき水族館》で描いた絵を缶バッジにできる「缶バッジファクトリー」も実施。各地で話題を呼ぶ「学ぶ!未来の遊園地」プロジェクトを、この機会に体験してみてはいかがだろうか。

会期:2019年7月6日~9月1日
会場:北海道立帯広美術館
住所:北海道帯広市緑ヶ丘2(緑ヶ丘公園内)
電話番号:0155-22-6963
開館時間:9:30~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌平日)
観覧料:一般 1400円 / 高校・大学生 900円 / 小・中学生 600円 / 未就学児無料 ※「缶バッジファクトリー」参加の場合は1個500円
 

機械で動き出す神話世界。「やなぎみわ展 神話機械」(福島県立美術館

やなぎみわ 神話機械 ムネーメー(投擲マシン) 2019 制作=福島県立福島工業高等学校 撮影=表恒匡

 女性を被写体とした写真作品や、巨大なトレーラー車で日本各地をめぐる野外劇で知られるアーティスト・やなぎみわ。その個展「神話機械」が、福島県立美術館に巡回中だ。

 本展では《エレベーター・ガール》《マイ・グランドマザーズ》といった過去の代表作のほか、日本神話と桃をテーマに福島市内で撮影を行った写真シリーズ「女神と男神が桃の木の下で別れる」などの近作を紹介。また、やなぎと各地の大学等が連携した「モバイル・シアター・プロジェクト」から、マシンがウィリアム・シェイクスピアなどの戯曲の一場面を演じる《神話機械》も展示される。

 やなぎにとって約10年ぶりの個展となる本展。その創造の源泉をたどるとともに、新たな試みにも注目したい。

会期:2019年7月6日~9月1日
会場:福島県立美術館 企画展示室
住所:福島市森合字西養山1
電話番号:024-531-5511
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし7月15日、8月12日は開館)、7月16日、8月13日
観覧料:一般・大学生 1000円 / 高校生 500円 / 小・中学生 300円
 

「バムとケロ」から「ギュスターヴくん」まで。「MOE 40th Anniversary 人気絵本のひみつ展」(新潟県立万代島美術館

 ©YUKO HIGUCHI/ HAKUSENSHA

 誰もが一度は目にしたことのある「ギュスターヴくん」「バムとケロ」「そらまめくん」といったキャラクターたち。大人から子供まで多くの人を惹きつける絵本の秘密に迫る「MOE 40th Anniversary 人気絵本のひみつ展」が、新潟県立万代島美術館で開催されている。

 本展は、絵本に関する情報を発信しつづけてきた月刊雑誌『MOE』の40周年を記念して行われるもの。ヒグチユウコ、島田ゆか、酒井駒子、ヨシタケシンスケ、なかやみわの5名の作家による貴重な絵本の原画約200点を紹介するほか、設定資料や作家の私物なども展示される。

 また会場には絵本を楽しめるコーナーが用意されるほか、会期中の毎日10~13時は「おしゃべり優先タイム」に設定。子供から大人まで、語り合いながら絵本の世界を楽しむことができる。

会期:2019年7月13日~9月23日
会場:新潟県立万代島美術館
住所:新潟市中央区万代島5-1 万代島ビル5階
電話番号:025-290-6655
開館時間:10:00〜18:00 ※チケットの販売は閉館の30分前まで
休館日:7月22日、8月5日、19日、9月9日
料金:一般 1100円 / 大学・高校生 900円 / 中学生以下無料
 

同館初、現代美術の展覧会。「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」(ポーラ美術館

セレスト・ブルシエ=ムジュノ クリナメン v.2 2013 Installation view: Centre Pompidou-Metz © Céleste Boursier-Mougenot Photo: Rémi Bertrand

 神奈川・箱根町のポーラ美術館では、開館以来初となる現代美術に焦点を当てた展覧会「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」が開催される。

 本展では、モネやピカソらによる絵画から彫刻、東洋磁器まで多岐にわたる同館のコレクションを、国内外の現代作家たちの作品とともに紹介。セレスト・ブルシエ=ムジュノによる円形プールの水面を漂うボウルが音色を奏でる作品や、スーザン・フィリップスによる屋外の音響インスタレーションを見ることができる。そのほかの参加アーティストはオリヴァー・ビア、カンディダ・ヘーファー、アリシア・クワデ、ヴォルフガング・ティルマンス、磯⾕博史、渡辺豊、横溝静など。

 なお同館は中学生以下の入館を8月10日から無料に変更するほか、夏休みの時期にあわせて様々なイベントを開催する「夏のこどもウィーク」や、アウトドアイベント「FOREST MUSEUM 2019」を開催。こちらもあわせてチェックしてほしい。

会期:2019年8月10日〜12月1日
会場:ポーラ美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
電話番号:0460-84-2111
開館時間:9:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:大人 1800円 / 65歳以上 1600円 / 大学・高校生 1300円 / 中学生以下無料

 そのほかにも、青森県立美術館では「子どものための建築と空間展」(7月27日〜9月8日)が、郡山市立美術館では「くまのパディントン™展」(〜9月1日)が巡回。また、静岡・佐野美術館では涼しげな金魚の世界を楽しめる「金魚絵師 深堀隆介展 」(〜9月1日)が、新潟市新津美術館では「光と遊ぶ超体感型ミュージアム 帰ってきた!魔法の美術館」(〜9月1日)が開催されている。気になる展覧会は早めのチェックをおすすめしたい。