高松次郎とロバート・モリスの2人展が開催。同時期に制作されたドローイングに注目

同時代を生きた高松次郎とロバート・モリスの2人展が、東京・新宿のユミコチバアソシエイツで開催されている。会期は7月31日まで。

高松次郎 Rubbing 1974 ⓒ The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 高松次郎(1936〜98)とロバート・モリス(1931〜2018)の2人展が、東京・新宿のユミコチバアソシエイツで開催されている。本展は、各作家が残したドローイングシリーズに焦点を当てて構成。両者に共通する試みを紐解いていく。

 高松が70年から手がけた「こすり」は、紙に黒い幾何形態を描き、指などでこすって純粋形態に破調やノイズが介在する画面をつくりだしたドローイングシリーズだ。

 いっぽう同時期にミニマリズムやコンセプチュアル・アートを代表する作家として活動したモリスは、73年から「Blind Time」というドローイングシリーズの制作をスタート。描き手の視覚を遮断し、盲目と同じ状態で、画面に黒鉛かインクを直接こすりつけて描く実験的な同シリーズは、手法などを変えながら2001年まで継続的に制作された。

 2名が同時期に取り組んでいた2つの作品群は、いずれも作家の身体を直接的に画面に介在させ、視覚的かつ理念的なかたちの純粋性に問いを投げかけた。本展では、高松の「こすり」のドローイング全6点と、モリスの「Blind Time」3点を展示。コンテンポラリー・アートを牽引した2名の作品を堪能したい。

編集部

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