松延総司は1988年生まれ、2008年京都嵯峨芸術大学短期大学部卒業。立体やインスタレーションのほか、ドローイングやデジタルメディアなども取り入れた活動を行ってきた。主な個展に「ねじれたライブラリールーム」(熊本市現代美術館、2018)、「Knit the Knot」(HAGIWARA PROJECTS、2017)などがある。
そんな松延による個展「See the Shades」が、東京・西新宿のHAGIWARA PROJECTSで開催される。
これまで日常に存在する「もの」が持つ機能や法則を解体・再構築することで、新たな認識や視点を提示してきた松延。三次元立体のエッジを細い黒のテープで縁取り、輪郭線のような視覚効果をもたらす「Nissed」や、大量の木や石を、手作業によって違う素材でつくる「Direction of Materials」といったシリーズが代表的だ。
近年松延は、フリーハンドで瞬間的に描いた乱雑な線を三次元的に書き換える作品《Knit the Knot》をきっかけに、より抽象的で概念的なモチーフである「線」や「影」に焦点を当てて制作を行っている。
本展では何かを塗りつぶすとき、もしくは掻き取るときの動作の痕跡をプリントした壁紙のシリーズを中心に、近作を発表。様々な表情を見せる「黒」が混在し、鑑賞者の認識が揺らぐような空間が生み出されることだろう。