NEWS / EXHIBITION - 2019.6.15

ボルタンスキーから「松方コレクション」流転の歴史まで。今週末に見たい3つの展覧会

今週スタートした展覧会と6月16日までに終了する展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。この機会をお見逃しなく。

「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime」の展示風景より、左が《ぼた山》(2015)、上が《スピリッツ》(2013)

大回顧展がいよいよ東京へ。「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime」(国立新美術館

クリスチャン・ボルタンスキー

 歴史や記憶、死、不在をテーマに作品を生み出し続けてきたクリスチャン・ボルタンスキー。その国内初となる大回顧展「Lifetime」が、大阪・国立国際美術館を経ていよいよ国立新美術館に巡回。大幅に展示構成を変え、今週スタートした。

 まず注目したいのは、ボルタンスキー自身による会場構成だ。会場では、天井の高さを活かした存在感あるインスタレーションや、ボルタンスキーの人生そのものを表すような空間の流れを体感することができる。本展に並ぶのは、子供の肖像写真と電球を祭壇のように組み合わせた代表シリーズ「モニュメント」をはじめ、初期の映像作品《咳をする男》(1969)から本展のために制作された《幽霊の廊下》(2019)まで48作品。半世紀以上にわたって編まれてきた、ボルタンスキーの壮大な芸術世界を堪能したい。

 また表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京では、ボルタンスキーの個展「アニミタスⅡ」が同時期開催(11月17日まで)。スペイン語で「小さな魂」を意味するタイトルを冠した同展では、ボルタンスキーが世界各地で展開するインスタレーションを原点としたふたつの映像作品を見ることができる。こちらもあわせて訪れてみてはいかがだろうか。

会期:2019年6月12日~9月2日
会場:国立新美術館 企画展示室2E
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~18:00(6月の金土~20:00、7・8月の金土~21:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火
料金:一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生 800円 / 中学生以下無料
 

収集と散逸の歴史を追体験する。「国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展」(国立西洋美術館

展示風景より、右がクロード・モネ《睡蓮、柳の反映》(1916)

 国立西洋美術館は今年で開館60周年。その節目に、同館の根幹をなす「松方コレクション」の歴史にフォーカスした展覧会「松方コレクション展」が、今週開幕した。

 松方コレクションは、神戸の実業家・松方幸次郎(1865~1950)が、1910年代半ばから1920年代半ばにかけて収集した西洋美術のコレクション。関東大震災や昭和金融恐慌によってロンドン、パリ、日本の3都市に散逸し、戦後パリから返還された375点をもとに同館が開館したという流転の歴史を持つ。本展はこうした時間軸を追うように構成され、各作品が「いつ・どこで」購入されたかなど、キャプションにその来歴が細かく記されているのもポイントだ。

 また本展では、約60年にわたって行方不明だったクロード・モネの大作《睡蓮、柳の反映》(1916)が修復後、初めて公開されている。同作は2016年にフランス・ルーブル美術館で発見され、翌17年に松方家が国立西洋美術館に寄贈。上半分の欠損は維持された状態だが、会場では同館が凸版印刷とともにデジタルで復元した成果をあわせて見ることができる。

会期:2019年6月11日〜9月23日
会場:国立西洋美術館
住所:東京都台東区上野公園7-7
電話番号:03-5777-8600
開館時間:9:30~17:30(金土〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館)、7月16日
料金:一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生 800円 / 中学生以下無料
 

コレクションを核として。「百年の編み手たち-流動する日本の近現代美術-」「MOTコレクション ただいま / はじめまして」(東京都現代美術館

展示風景より、五月女哲平《Pair》(2014)

 清澄白河の東京都現代美術館では、約3年にわたる休館後初となる企画展「百年の編み手たち-流動する日本の近現代美術-」と、コレクション展「MOTコレクション ただいま / はじめまして」が今週末に閉幕。

 ふたつの展覧会は、どちらも同館のコレクションを軸としたものだ。「百年の編み手たち-流動する日本の近現代美術-」は、1914年から現代までの作家たちの活動を、作品と資料によって展覧する試み。絵画や版画、彫刻、インスタレーションから同人誌などの印刷物まで、約100年の美術の歩みをたどる。また「MOTコレクション ただいま / はじめまして」では、休館中に新しく収蔵された約300点の作品から、主に2010年代に制作されたものや、修復後の作品を紹介している。

 日本の近現代美術史、そして同館のコレクションを編集的な視点で読み解くふたつの展覧会。まだ見ていない方は、ぜひこの機会を逃さず足を運んでみてほしい。

会期:2019年3月29日~6月16日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~18:00
休館日:月
料金:「百年の編み手たち-流動する日本の近現代美術-」一般 1300円 / 大学・専門学校生・65歳以上 900円 / 中学・高校生 600円 / 小学生以下無料
「MOTコレクション ただいま / はじめまして」一般 500円 / 大学・専門学校生 400円 / 高校生・65歳以上 250円 / 中学生以下無料