大山エンリコイサムの個展が中村キース・ヘリング美術館で開催。巨大壁画やライブペインティングも

ニューヨークを拠点としながら、近年は日本国内で積極的に個展を開催している大山エンリコイサム。その個展「VIRAL」が、山梨の中村キース・ヘリング美術館で開催される。本展で大山は新作を発表するほか、長さ14メートルの巨大壁画を制作。会期は5月18日〜11月10日。

大山エンリコイサム FFIGURATI #184 2019 Artwork© Enrico Isamu Ōyama Photo© Suguru Ikeda

 大山エンリコイサムは1983年東京生まれ、2012年からニューヨークを拠点に活動するアーティスト。都市の壁などに名前を記すエアロゾル・ライティング(グラフィティ)から文字を取り除き、線の動きのみを反復・拡張させた「クイックターン・ストラクチャー(QTS)」をモチーフに制作を行ってきた。

 昨年は個展「Black」(Takuro Someya Contemporary Art)を開催したほか、現在ポーラ美術館でも個展「Kairosphere」が開催中(7月28日まで)と、国内でも積極的に活動している大山。次は山梨の中村キース・ヘリング美術館を舞台に、個展「VIRAL」を開催する。

中村キース・ヘリング美術館

 展覧会タイトルの「VIRAL(ヴァイラル)」は、「ウイルス性の」という意味の形容詞。大山はこの言葉について、「感染」というネガティブな含意があるいっぽう、SNSでは「拡散」「急速」といった意味を持ち、ポジティブなニュアンスを帯びていると語る。

 そして自らが用いるQTSも、様々なメディアに展開できる「ヴァイラル」なアイコンだと言う大山。本展では、17年にニューヨークで制作したライブペインティング作品に、スタジオでQTSを加筆した新作の《FFIGURATI #184》を発表する。

 また、会場の回廊では、キース・ヘリングによる壁画制作の記録写真(東京・神宮前、1983)のコラージュの上に、大山による長さ14メートルにおよぶ巨大な壁画作品が出現。加えて会期初日には、ライブペインティングも実施される。

ブルックリンのスタジオでの大山 2018 Photo ©Collin Hughes

編集部

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