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INSIGHT - 2019.3.9

バンクシーからルノワールまで。Netflixで見るアートムービー5本

スマートフォンやパソコンで、いつでも見たい動画コンテンツを視聴できるストリーミングサービス。今回はNetflixから、アーティストのドキュメンタリーやアートワールドで繰り広げられるサスペンスなど、アートに関する動画5本を紹介する。Netflixオリジナルコンテンツ以外は配信期限があるため、気になる作品は早めにチェックしてほしい。

 

『セービング・バンクシー』場面写真素材

火薬を用いた壮大な作品の裏側。『空のハシゴ:ツァイ・グオチャンの夜空のアート』

 まず紹介するのは、火薬を用いた作品を多く手がけ、「爆発のアーティスト」とも称される中国人アーティスト・蔡國強(ツァイ・グオチャン)のドキュメンタリー『空のハシゴ:ツァイ・グオチャンの夜空のアート』。本作では、祖母の100歳の誕生日を記念して発表した《スカイ・ラダー》(2016)の制作過程と、蔡の人生が交差して映し出される。

Netflixオリジナル作品『空のハシゴ ツァイ・ゴンチャンの夜空のアート』
Netflixオリジナル作品『空のハシゴ ツァイ・ゴンチャンの夜空のアート』

 著名な書家である父との関係、文化大革命の影響を受けた幼少期、作品を開花させるきっかけとなった日本での生活、現在の中国への思い、そして、妻と子供と暮らす現在のニューヨークでの日々。ジャーナリストらによる冷静な考察も織り込まれた79分の映像は、ひとりの人物がどのようにアーティストとして成功したか、その輪郭をはっきりと描き出している。クライマックスでの《スカイ・ラダー》の美しい成功シーンも必見だ。

|『空のハシゴ:ツァイ・グオチャンの夜空のアート

監督:ケヴィン・マクドナルド
出演:蔡國強ほか
時間:79分
Netflixオリジナル作品 『空のハシゴ ツァイ・ゴンチャンの夜空のアート』独占配信中

 

激動の時代を生きた狂気のアーティスト。『ズカルスキーの苦悩』

 スタニスラフ・ズカルスキー(1893〜1987)というアーティストを知っているだろうか? 1916年にシカゴ美術館で行った個展では、ある意見に反発し、会期中にも関わらず展示作品をすべて引き剥がすなど、幾多の過激な振る舞いによって「脱走したフランケンシュタイン」とも呼ばれた彫刻家、画家のズカルスキー。1980年代にはカルトヒーローとして再び脚光を浴びたこのアーティストの数奇な人生に迫ったドキュメンタリーが『ズカルスキーの苦悩』だ。

Netflixオリジナル作品『ズカルスキーの苦悩』

 世界中の古代文明を研究し、「人類はどこから来て、どこへ行くのか」といった命題に対し、奇想天外な自論を生き生きと語る生前のインタビューはどこかユーモラスに映る。しかし、第二次世界大戦で全作品を破壊され、祖国・ポーランドとアメリカを行き来しながら、ひたむきに作品制作に取り組んだひとりの「奇人アーティスト」をかたちづくる苦悩もありありと見えてくる。

 なお本作は、ズカルスキーと交流があった俳優のレオナルド・ディカプリオがプロデューサーを務めている。

|『ズカルスキーの苦悩』

監督:イレク・ドブロヴォルスキー
出演:スタニスラフ・ズカルスキーほか
時間:105分
Netflixオリジナル作品『ズカルスキーの苦悩』独占配信中

 

真作か贋作か? 調査と推理の先に見えてくる真実 『フェイク・オア・フォーチュン:絵画鑑定最前線』

 美術史家のフィリップ・モールド、イギリスのテレビ局「BBC」ニュースキャスターのフィオナ・ブルースのふたりが、正真正銘の真作か、精巧な贋作か、絵画の真贋を行うシリーズ作品が『フェイク・オア・フォーチュン:絵画鑑定最前線』だ。

『フェイク・オア・フォーチュン:絵画鑑定最前線』場面写真素材

 シリーズ4の第2話では、ピエール=オーギュスト・ルノワール作とされる絵画が登場。署名や来歴がないため、一度は贋作と判断されたその真贋を追求する。

 疑惑の作品にクロード・モネが深く関わっていると判明した後、モネの家、最先端の技術を誇る研究所、モチーフである湖の上など、手がかりのある場所へとくまなく足を運ぶ3人。推理ドラマのようにスリリングな展開を見せるが、その結末やいかに? 一筋縄ではいかない真贋のゆくえは実際の動画でチェックしてほしい。

|『フェイク・オア・フォーチュン:絵画鑑定最前線』

出演:フィオナ・ブルース、 フィリップ・モールド、ベンダー・グローヴナー
時間:57〜58分(回により異なる)
『フェイク・オア・フォーチュン:絵画鑑定最前線』Netflixにて配信中

 

バンクシーの作品は誰のもの?『セービング・バンクシー』

 世界各地にグラフィティを残す神出鬼没の覆面アーティスト、バンクシー。ドキュメンタリー映画『セービング・バンクシー』は、バンクシーの作品をストリートから引き剥がし、アートマーケットへと放出し、巨額の利益を得るアートディーラーが主な登場人物だ。

『セービング・バンクシー』場面写真素材

 劇中には、バンクシーとともにパレスチナでストリートアートを描いベン・アインら著名なアーティストも数名出演し、「ストリートアートは保護すべきではない」「美術館で展示されるべきではない」と語る。いっぽうで、「一時的にしか存在しないこのアートの形態を見直すべきだ」という人物も現れる。

 ストリート作品は誰のものであり、どこにあるべきで、作品を「守る」とはどういうことなのか? 本作はそれらを考えるきっかけになるだろう。

|『セービング・バンクシー』

監督:コリン・デイ
時間:68分
(※配信終了)

 

批評家からギャラリストまで、アートワールドが舞台のホラー『ベルベット・バズソー:血塗られたギャラリー』

 全米最大のアートフェア「アート・バーゼル・マイアミ」のシーンから幕を開けるのが、ロサンゼルスを拠点とする著名な美術批評家、ギャラリストらが主人公のホラー映画『ベルベット・バズソー:血塗られたギャラリー』だ。

Netflixオリジナル映画『ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー』

 「自分の死後、描いた作品はすべて廃棄してほしい」という、ひとりのアーティストの遺言を無視したことで、凄惨な事件に巻き込まれて行く登場人物たち。

 本作の表面はあくまで(B級)ホラーだが、巨大化するアートマーケットのマネーゲームに精を出す人々への批判的な眼差しも見えてくる。インスタレーションから絵画まで、様々な「作品」たちによる復讐劇も見どころだ。

|『ベルベット・バズソー:血塗られたギャラリー』

監督:ダン・ギルロイ
時間:112分
出演:ジェイク・ジレンホール、レネ・ルッソ、トニ・コレット、ゾウイ・アシュトンほか
Netflixオリジナル映画『ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー』独占配信中