黒の潜在力に表れる造形と運動。大山エンリコイサムの個展がTSCAで開催

エアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈する作品で知られるアーティスト、大山エンリコイサムの個展「Black」が、東京・天王洲のTakuro Someya Contemporary Artで開催される。会期は11月22日〜12月22日。

大山エンリコイサム 左は《FFIGURATI #162》、右は《FFIGURATI #163》(ともに2017) Photo © Atelier Mole

 大山エンリコイサムは1983年生まれ、現在ニューヨークを拠点とするアーティスト。2015年に単著『アゲインスト・リテラシー―グラフィティ文化論』(LIXIL出版)を刊行、2017年には個展「ユビキタス―大山エンリコイサム」をカンザス州のマリアンナ・キストラー・ビーチ美術館で開催するなど、国内外で精力的に活動を行っている。

 独自のモチーフ「クイックターン・ストラクチャー」を軸に展開される大山の絵画は、白と黒を中心としたモノトーンが基調。今回の個展は色彩の放棄、もしくは白黒への還元それ自体に言及するような内容だ。

 規格化された色のパレットを逸脱した、黒そのものの潜在力に言及しようとする本展のタイトル「Black」。ここでは、白と黒は対極する色ではなく、図と地の関係性に置き換えられるような造形的な言語として扱われている。

 本展は、2016年の「Present Tense」に続くTakuro Someya Contemporary Artでは2度目の個展。「ユビキタス―大山エンリコイサム」で初展示された《FFIGURATI #162》、《FFIGURATI #163》など大型作品3点に、新作18点を加えた計21点によって構成される。いずれも日本国内では初の発表となる。

 

編集部

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