2018.8.28

マリー・アントワネットから草間彌生まで。ヨーロッパ磁器の最高峰「セーヴル」の軌跡をたどる日本初の大規模展が巡回中

「フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」展が、静岡市美術館で開催される。本展は、セーヴル陶磁都市所蔵の優品約130点を通じて、セーヴル磁器の伝統と創造の軌跡に迫るもの。会期は2018年10月6日〜12月16日。

ポプリ壺 エベール 1757 セーヴル陶磁都市所蔵 Photo by © RMN-Grand Palais (Sèvres, Cité de la céramique) / Martine Beck-Coppola / distributed by AMF

 ヨーロッパ磁器の最高峰のひとつとして知られるセーヴル磁器は、フランス国王・ルイ15世(1710~74)の庇護を受け、18世紀半ばに王立磁器製作所として出発。その後、フランス革命を経てナポレオンが台頭するとセーヴルは新古典主義の作品の制作を始め、19世紀半ばのパリ万国博覧会の時代からは、テーブル・ウェアの範疇にとどまらない作品へと発展していった。

 19世紀末にはアール・ヌーヴォーやアール・デコの作品が誕生し、それにともなって芸術家とデザイナーによる共同制作も盛んになった。20世紀初頭はセーヴル初の外国人の協力芸術家として彫刻家・沼田一雅(1873~1954)が招聘され、現代ではフランスの美術家、ピエール・スーラージュや草間彌生などもその制作に携わっている。

 今回、静岡市美術館で開催される「フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」展は、セーヴル陶磁都市所蔵の優品約130点を通じて、セーヴル磁器の300年にわたる伝統と創造の軌跡に迫るもの。日本初となるこの大規模展は、昨年から東京・大阪・山口と巡回し、今回の静岡が最終会場となる。