2018.8.4

アンドレアス・スロミンスキー、ヘンク・フィシュ、ミリアム・カーンの作品がならぶ。ワコウ・ワークス・オブ・アートの常設展に注目

東京・六本木のWAKO WORKS OF ARTが、「Summer Show」と題し、アンドレアス・スロミンスキー、ヘンク・フィシュ、ミリアム・カーンの常設展示を行っている。会期は9⽉1⽇まで。

展示風景より Courtesy of WAKO WORKS OF ART
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 東京・六本木のワコウ・ワークス・オブ・アートが常設展「Summer Show」として、アンドレアス・スロミンスキー、ヘンク・フィシュ、ミリアム・カーンの作品を展示している。

 スロミンスキーは、日用品を模した彫刻作品や、謎めいたギミックを用いたパフォーマンスなどで知られる。本展には、扉型の⽴体レリーフに⾺蹄やニワトコの杖などユニークなモチーフを組み合わせた⼤型作品シリーズより《The House Shoe》(2017)、《Good Luck》(2017)を出品。加えて、同素材を⽤いて聖⺟⼦像などのキリスト教的モチーフをかたどった⼩型のレリーフ作品もならぶ。

展示風景より Courtesy of WAKO WORKS OF ART

 モチーフの感触そのものの表現を試みることによって生み出される独特のフォルムの彫刻を制作するフィシュは、今年7⽉14⽇まで同ギャラリーにて個展「耕された⼟地の端で」を開催していた。本展では、その際に発表した新作から 《戦争反対のモニュメントの提案》(2018)、《コズミックダンス #1 : 海の夢は船》(2018)の2点を継続して展⽰中だ。

展示風景より Courtesy of WAKO WORKS OF ART

 カーンは、ユダヤ系をルーツに持つ⾃⾝のアイデンティティーと、戦争や核などの社会問題に正⾯から向き合った油彩画を制作し続けている。ポリティカルなテーマを扱っていながら、独特の⾊使い、幾重にも重ねられた筆遣い、背景に溶け込むような輪郭によって⾼い抽象性を備えた油彩画で高い評価を得ている。 本展では、6⽉に会期を終えた「第21回シドニービエンナーレ」でも展示された、難⺠をテーマに描いたという油彩画《das schöne blau》(2017)を見ることができる。現代美術の一線で活躍しつづける3名の作品に注目したい。

 ※なお、8月11日〜20日は夏期休廊のため観覧不可