ミリアム・カーンが最新作を発表。写真作品を通して新たな魅力を紹介する

スイス人アーティスト、ミリアム・カーンの個展がワコウ・ワークス・オブ・アートで開催される。デジタル写真32点組の最新作など、写真作品を中心に紹介する。会期は2018年3月10日〜5月12日。

ミリアム・カーン landschaftlich(風景のような) 2017.08.13 analogue photograph, set of 32 works 約200×200cm Photo by Shizune Shiigi ©Miriam Cahn, courtesy WAKO WORKS OF ART

 ミリアム・カーンは1949年スイス生まれ。油彩を中心に制作し、ユダヤ系のルーツというアイデンティティ、戦争や核問題など具体的な社会問題に向き合うテーマ性の強い作品を、抽象的な輪郭と独特の色づかいで描き出している。

 2017年に行われた「ドクメンタ14」ではドイツ、ギリシャの両会場で発表したインスタレーションが高い評価を受け、18年3月16日より開催される「第21回シドニー・ビエンナーレ」への参加や、19年にはマドリード・ソフィア王立芸術センターでの大規模な個展が予定されるなど、近年あらためて大きな注目を集めている。

 本展では、カーンが撮る写真の魅力に着目する。自作のドローイングを野外で撮影した作品や、アトリエを構えるスイス・ブレガリアの自然をとらえた作品、さらに80年代のアナログ写真を用いた作品や、デジタル写真32点組の最新作など、多数の写真作品を展示。それらの作品には動植物、風景、建築といった、カーンが長年描き続けたモチーフが登場し、絵画作品にも通じる被写体への眼差しが垣間見える。

 さらに写真作品に加えて、活動の初期から続ける大型のドローイング作品や、昨今世界情勢を揺るがす難民問題をテーマにした油彩作品などを合わせて展示。多様なメディアによって表現されるカーンの世界を紹介する。

編集部

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