アンドレアス・スロミンスキーは1959年ドイツ・メッペン生まれ。80年代からベルリンとハンブルクを拠点に彫刻作品やパフォーマンスの発表を続け、これまでにドイツ、フランス、イタリアなど、ヨーロッパを中心に数多くの主要な現代美術館で個展を開催してきた。
ワコウ・ワークス・オブ・アートでの4度目の個展となる本展では、新作全11点をアジアで初めて公開。「GOOOD LUCK」というタイトルのもと、馬蹄や聖母子像といった欧州の通俗的なラッキーチャームを、トイレや水洗タンクに使われる簡素なポリエチレン製の素材でかたどった立体的なレリーフ作品を展示する。
「トイレ」はスロミンスキーの近年の作品で象徴的に扱われている題材のひとつ。世俗の迷信や幸運と関わりの深い言葉が用いられた作品タイトル、謎かけや隠喩に富んだモチーフ、そして無機質な素材が重なり合い、哲学的な問いかけと無意味さが同居するスロミンスキー独特の世界が展開される。