東京にも「START Box」。文化政策を生活とどうつなぐか
──日本に目を転じると、例えば東京にはDCLAのような公的文化支援の仕組みはあるのでしょうか?
作田 まったく同じものはありません。ただ、いろいろな政策を組み合わせることで、ある意味で近い状態はあります。東京都には文化行政を担う部門がありますし、東京都歴史文化財団もあります。都立の美術館や博物館など文化施設もあります。
DCLAに一対一で対応する組織があるというより、それぞれに機能が分かれていると考えたほうがいいでしょう。制度の配置が違うので、単純に予算額だけを比べるのではなく、「誰が何を担っているか」を見ることが重要です。
──東京都では「START Box」という取り組みもありますね。
作田 そうですね。都営住宅などの空き店舗をアーティストに一定期間スタジオとして利用してもらう仕組みです。当初はかなり短期間の利用から始まりましたが、実験事業として成果を見ながら、より長い期間使えるケースも出てきています。
これからどのような成果が出るのか、そこからどのようなアーティストが生まれてくるのかは、引き続き注目して見ていきたいですね。

──東京も家賃が上がっています。制作場所だけでなく、「住む場所」も大きな問題です。
作田 その点では京都市の事例が参考になります。京都市では最近、旧大学留学生寮や市営住宅の空き住戸などを、アーティストの居住拠点として活用する事例も出ています。東京のSTART Boxとの違いは、京都の場合は「住居」だということです。START Boxは基本的に制作場所ですが、京都の事例は住む場所として貸す。国や都市によって、アーティストに住んでもらう、制作してもらうための様々な取り組みがあります。東京都の場合は、生活の部分まで含めると、まだこれからという感じはありますね。



















