パンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻──ヴェネチア・ビエンナーレ第59回国際美術展は何を伝えるのか?
パンデミックの影響で開幕が1年延期されていたヴェネチア・ビエンナーレ第59回国際美術展が、4月23日に開幕した。プレビューに駆けつけた現代アート関係者が再会を喜びながら人気の会場に列をつくる横で、ロシア館は閉鎖され、ウクライナ支援のための展示が急遽開かれている。史上最大数の女性アーティストが参加し「女性のビエンナーレ」とも評される企画展と併せて、見どころをピックアップする。
パンデミックの影響で開幕が1年延期されていたヴェネチア・ビエンナーレ第59回国際美術展が、4月23日に開幕した。プレビューに駆けつけた現代アート関係者が再会を喜びながら人気の会場に列をつくる横で、ロシア館は閉鎖され、ウクライナ支援のための展示が急遽開かれている。史上最大数の女性アーティストが参加し「女性のビエンナーレ」とも評される企画展と併せて、見どころをピックアップする。
今年90歳を迎えたゲルハルト・リヒター。生まれ故郷、東部ドイツの古都ドレスデンで、リヒター本人が作品を選び、構成した展覧会「ゲルハルト・リヒター。ポートレート。ガラス。アブストラクト」が開催されている。ガラスパネルを使ったインスタレーションや肖像画など40点が3つの部屋に並ぶ展示だが、この構成にはリヒターの個人的な思いやメッセージが色濃く反映されているようだ。ドレスデンのゲルハルト・リヒター・アーカイブを率い、著作「評伝ゲルハルト・リヒター」でも知られるディートマー・エルガー博士に話を聞いた。
美人画の大家として、上村松園と並び称された画家・鏑木清方。しかしその画業を見渡せば、美人画のみならず風景画や風俗画、肖像画など幅広い仕事をしていたことがわかる。東京国立近代美術館で開催中(5月27日より京都国立近代美術館に巡回予定)の「没後50年 鏑木清方展」に寄せ、《築地明石町》を起点に、美人画にとどまらない彼の画業をいま一度見直す。
新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。山下裕二が日本美術史における「商業美術」の系譜を提示する1冊から、大正〜昭和に活動した美術史家・矢代幸雄の交友関係を通じて当時の美術界の状況を描き出す書まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。
新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。Chim↑Pomのエリイが海外での体験や妊娠・出産経験を綴るエッセイ集から、2000年代以降の「危機の時代」に行われたアートプロジェクトを紹介する一冊まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。
カラヴァッジョの《音楽家たち》。この名画は初期に数多く描かれた少年像のひとつであり、1600年の《聖マタイの召命》によるデビューやその後の活躍、ひいては17世紀のバロック美術を代表する巨匠となっていく道程へとつながっていく重要な作品としても位置づけられる。今回はこの《音楽家たち》を含む、カラヴァッジョの初期の少年像に焦点を当て、彼の「成長」のプロセスを追ってみたい。
ロンドンにあるダミアン・ハーストのギャラリー、ニューポート・ストリート・ギャラリーで現在開催されている、「The Cloud of Witness」展(〜8月21日)。70点以上ものキース・カニンガムの作品が並ぶこの展覧会を通じて、その存在に迫る。
日本で絶大な人気を誇るヨハネス・フェルメール。その名前はいかにして「ブランド」となっていったのか? フェルメールが生きた当時のオランダの絵画事情や同時代の他の画家たちによる作品の紹介も交え、フェルメール・ブランド誕生までの軌跡をたどる。
2月22日に閣議決定された博物館法の改正案。金沢美術工芸大学で博物館学の教鞭をとる渋谷拓が、この改正案を起点にし、今後の博物館振興策に求められるものを説く。
アートの表現を「ナラティブ」の一形態としてとらえてみること。せんだいメディアテークの開館から20年、東日本大震災から10年という節目に集った10のナラティブは、どのように紡がれ、他者へとどう開かれていくのか。担当キュレーター・清水建人による語りでお届けする。
3月8日は国際女性デー。過去のウェブ版「美術手帖」掲載記事からアート界におけるジェンダー問題やフェミニズムを取り上げた記事を、まとめてお届けする。
2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻。この軍事行動によって起こった美術分野での主な動きを美術手帖での掲載日をもとにタイムラインでまとめる(随時更新)。
混乱が続くウクライナ情勢。アート界からもロシアによるウクライナ侵攻に反対する声が次々と上がっている。(本稿は随時内容をアップデートします)
3DCGやピクセルアニメーション、3Dプリント、VR、NFTなどのテクノロジーを使用し、東洋思想による現代美術のルール書き換えと、デジタルデータの新たな価値追求をテーマに作品を制作しているアーティスト・たかくらかずき。古来から続く信仰(心)と現在のアートシーンを賑わせるNFTアートを接続した、まったく新しいNFT/テクノロジーアート論をお届けする。
パンデミックは私たちの日常生活全てに影響を与えている。新しい生活様式が定着しつつある今、ドイツ、ベルリンの現代美術館で、世界的なインダストリアル・デザイナー、コンスタンチン・グルチッチが「ニューノーマル」を模索する展覧会を開催している。気鋭のデザイナーが見る未来のかたちとは。
2月22日、博物館のあり方を定義する「博物館法」の改正案が閣議決定された。博物館への登録要件を緩和するかたちとなった今回の改正の問題点を、博物館法が専門の名古屋大学教授・栗田秀法が指摘する。
2020年に大分県豊後高田市の長崎鼻にオープンした「不均質な自然と人の美術館」。福岡を拠点とするクリエイティブ・ラボ「anno lab(あのラボ)」による3点のインスタレーション作品が常設される美術館だ。メンバーは開館の準備段階から土地との関わりを深め、現地の文化に触れていくなかで新作《石の部屋》の構想を温めた。来たる3月5日〜6日、その作品発表に伴い、国東の自然と文化を深く体験できる「石の部屋」ツアーが実施される。
新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。「ぺらぺら」をキーワードに彫刻を考える1冊『ぺらぺらの彫刻』から、21人の映画論者それぞれの方法論を紹介する『映画論の冒険者たち』まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。
新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。アーティストであり批評家の小田原のどかが彫刻を「思想的課題」として論じる『近代を彫刻/超克する』から、21世紀の映像を明るさ/暗さの両面から論じる『明るい映画、暗い映画』まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。
現在、エスパス ルイ・ヴィトン大阪で開催されているゲルハルト・リヒターの個展「Abstrakt」。フォンダシオン ルイ・ヴィトンが所蔵する18点の抽象作品が並ぶ本展が意味するものを、美術評論家の清水譲が読み解く。