国内初の大規模回顧展! 「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime」(国立国際美術館)
歴史や記憶、死、不在といったテーマで作品を発表し続けてきたクリスチャン・ボルタンスキーの大型回顧展「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime」が、大阪・国立国際美術館で開催中だ。
これまで、写真や記録資料と衣類などの日用品を組み合わせた作品で注目を集めてきたボルタンスキー。本展では、子供の肖像写真と電球を祭壇のように組み合わせた「モニュメント」シリーズや、大量の衣服によるインスタレーション《保存室(カナダ)》など、代表作の数々を展示。半世紀を超える活動を経てなお積極的に制作を続けるボルタンスキーの軌跡を、国内初の規模で紹介する。
「展覧会全体をひとつの作品として見せる」と語る作家自らが、会場に合わせたインスタレーションを展開する本展。壮大な空間に広がる、ボルタンスキーの芸術世界を堪能してほしい。
会期:2019年2月9日~5月6日
会場:国立国際美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
電話番号:06-6447-4680
開館時間:10:00~17:00 (金土~20:00)※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし4月29日、5月6日は開館)
料金:一般 900円 / 大学生 500円 / 高校生以下・18歳未満無料
春の京都で写真を感じる。 「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2019 VIBE」(京都市内各所)
世界屈指の観光地である京都。同市内を舞台に、今年で7回目となる「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」が開催されている。
国内外のアーティストによる写真作品や写真コレクションを、同地が誇る歴史的建造物、モダンな近現代建築で展示する本写真祭。今年は、目に見えないものがつながるときに生まれる共振や共鳴=「VIBE」をテーマに、様々な展示が展開されている。
京都市内の各所では、イズマイル・バリーやヴェロニカ・ゲンシツカ、金氏徹平など、アートシーンの第一線を走る作家による個展を見ることができる。また、振付師・映画監督として活躍するベンジャミン・ミルピエの日本初個展のほか、東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで今年3月に開催され話題を呼んだ「ピエール・セルネ&春画」も逃さずチェックしたい。
そのほかにも、サテライトイベントとして2013年から行われている公募型プログラム「KG+」、同プログラムの応募者から選出された12組の作家を紹介する「KG+SELECT」も開催されるなど、盛りだくさんの内容となっている。
会期:2019年4月13日~5月12日
会場:京都市内各所
電話番号:075-708-7108(KYOTOGRAPHIE事務局)
パスポート料金:一般 4000円 / 学生 3000円
1DAYパスポート料金:一般 3000円 / 学生 2000円
圧巻の空間に入り込んで。 「チームラボ 世界は暗闇からはじまるが、それでもやさしくうつくしい」(姫路市立美術館)
東京・日本橋の「明治座」新緞帳や、各地での展示で話題を呼んでいるチームラボ。その最新個展は、兵庫・姫路市立美術館で開催中だ。
本展では、チームラボによって厳選されたプロジェクション作品《世界は暗闇からはじまるが、それでもやさしくうつくしい》《Black Waves:埋もれ失いそして生まれる》《永遠の今の中で連続する生と死 II》を展示。加えて、チームラボの表現の原理を体現するモニター作品《世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う》が組み合わされ、「今、ここ」だけの体験の場がつくり出される。
アドバイザーを務めるのは、活動の初期からチームラボに注目してきた南條史生(森美術館館長)。現在進行形の美術表現とその可能性を検証する本展に、ぜひ足を運びたい。
会期:2019年4月20日~6月16日
会場:姫路市立美術館
住所:兵庫県姫路市本町68-25
電話番号:079-222-2288
開館時間:10:00~17:00(4月27日~5月6日 ~18:00) ※入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし4月29日、5月6日は開館)
料金:一般 1400円 / 大学・高校生 1000円 / 小・中学生 600円
150点の新作にも注目。 「瀬戸内国際芸術祭2019」(瀬戸内地方各所)
日本最大の芸術祭として知られる「瀬戸内国際芸術祭」が、今年も開幕した。前回に引き続いて「海の復権」をテーマとし、今回は瀬戸内海の島や周辺港の14の会場で約280点(うち150点が新作)の作品が展示される。
まずはじめに注目したいのは、アーティスト・塩田千春と建築家・田根剛のコラボレーション。塩田が2010年より展示する《遠い記憶》が撤去され、同地に2人の新たなコラボレーション作品が生み出される。そのほかの参加作家は宮永愛子、遠藤利克、大岩オスカール、ヤノベケンジ、レアンドロ・エルリッヒ、グレゴール・シュナイダー、目など。
また芝居・舞踏の分野では、アーティストのクリスティアン・バスティアンスによるハンセン病をテーマとしたインスタレーション作品などに。また、総合ディレクターの北川フラムが「前回にもまして力を入れる」と語る、島の「食」とアーティストのコラボレーションにも期待が高まる。
ゴールデンウィーク中にはダンスや音楽、上映、茶会などのイベントも目白押しの瀬戸内国際芸術祭。春の海風のなかで、新たな美術作品や人との出会いを楽しんでみてはいかがだろうか。
会期:2019年4月26日~5月26日(ふれあう春)、7月19日~8月25日(あつまる夏)、9月28日~11月4日(ひろがる秋)
会場:直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島(春)、本島(秋)、高見島(秋)、粟島(秋)、伊吹島(秋)、高松港・宇野港周辺
電話番号:087-813-2244
3シーズンパスポート料金:一般 4800円 / 16〜18歳 3000円 / 15歳以下無料
1シーズンパスポート料金:一般 4000円 / 16〜18歳 2500円 / 15歳以下無料
泡と光の彫刻から、未来をまなざす絵画まで。 「特別展示 名和晃平 Foam」「大岩オスカール 光をめざす旅」「アペルト10 横山奈美 LOVEと私のメモリーズ」「佐藤浩一 第三風景」(金沢21世紀美術館)
金沢21世紀美術館では、日本の現代美術作家による4つの企画展が同時開催されている。
まず注目したいのは、彫刻家・名和晃平による巨大インスタレーション《Foam》の特別展示だ。「あいちトリエンナーレ2013」で発表され大きな話題を呼んだ同作は、泡と光によるインスタレーション。今回は、その最新バージョンを無料で見るチャンスだ。
また、画家・大岩オスカールによる、日本では10年ぶりの大規模個展「大岩オスカール 光をめざす旅」もチェックしたい。光あふれる色彩と大胆な空間構成で、現代社会の様相を描き出してきた大岩。本展では、近作を中心とした約60点あまりの作品で2000年以降の歩みをたどるほか、同館の27メートルにおよぶ巨大な壁面では、新作のドローイングを見ることができる。
そのほかにも、同館が若手作家を中心に個展形式で紹介する展覧会シリーズ「アペルト」の10回目では、ネオン管を描いたシリーズで知られる横山奈美による個展「LOVEと私のメモリーズ」が開催中。また同館のデザインギャラリーでは、音や香りといったメディウムを扱う新鋭作家・佐藤浩一による個展「第三風景」が開催されている。
金沢21世紀美術館
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
電話番号:076-220-2800
開館時間:10:00~18:00(金土~20:00) ※チケット販売は閉場の30分前まで
休館日:月(ただし4月29日、5月6日、7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開場)、5月7日、7月16日、9月17日
「大岩オスカール 光をめざす旅」「特別展示 名和晃平 Foam」
会期:2019年4月27日~8月25日
料金:一般 1200円 / 65歳以上 1000円 / 大学生 800円 / 小学・中学・高校生 400円 ※「特別展示 名和晃平 Foam」のみの鑑賞は無料
「アペルト10 横山奈美 LOVEと私のメモリーズ」
会期:2019年4月6日~6月30日
「佐藤浩一 第三風景」
会期:2019年4月6日~9月23日
※どちらも観覧無料